Sシリーズ。
死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない87
376 :S ◆XgAEzfsW8U :04/11/02 22:28:21 ID:L9C1HCg4
いったい何人の人が私を覚えているのでしょう?
私は、ニヤニヤ笑う霊感者Sの話をここに書いた者です。お久しぶりです。
このたびめでたくSと結婚することになりました。
許可を得たので、Sのエピソードを書こうと思います。
(本人の強い希望により、やや毒気を抜いて描写していることを事前に断っておきます)
よろしいでしょうか。
377 :S ◆XgAEzfsW8U :04/11/02 22:32:24 ID:L9C1HCg4
彼女とは、実は高校時代からの腐れ縁でした。
クラスではヘリウムガスよりも浮きまくっていたSは、なぜか私にしつこく絡み、
友人に「あんな奴と付き合うのやめなよ」と言われる私を見て、にやにやする。
陰口をたたいていると、いつの間にかすぐ側で聞いている。
そんな不気味な奴でした。
ある日、仲のよかった女子に、『こっくりさん』のメンバーに誘われました。
何やら、『コックりさん』について詳しいやり方の載った本を読んだ子が、試したがっているとの事です。
一晩清めたお酒や、メンバーのつばを混ぜた墨で表を描くなど、
よく知らない私にも、本格的だという印象がありました。
こっくりさんは男二人女三人で行い、全員の指の下でほとんど隠れた10円玉がいかにもちゃちでした。
Sは当然誘われていませんが、いつものようににやにや笑いながら後ろで見ていました。
379 :S ◆XgAEzfsW8U :04/11/02 22:42:00 ID:L9C1HCg4
後はオカ板の人々の予想通りです。
突然日が翳ったように教室が暗くなり、10円玉が熱くなるほどの速さですべりだして、
『いやだ』『○×(人名)死ね』『地獄』『もう離れない』などの言葉を綴りだし、
女子の一人は急に白目を剥いて、奇妙な遠吠えのような声を上げた後、
半ば消化された昼食をそっくり吐き戻して失神しました。
(それでも指は、十円玉から離れませんでした。
全て終わった後は、全員の指に水ぶくれができていて、何人かは筋も違えていたはずです)
そんな中で一番恐かったのは、私たちがスマイリーとあだ名するほどいつも笑っていたSが、
狐目を大きく見開いて、唖然とした顔をしていたことです。
もう完全にパニックで、私も知る限りの神に助けを求めました。
今だから白状しますが、事前にトイレに言ってなかったら、多分後でかなり惨めなことになったはずです。
しかし、そのときはそれどころではなく、もう全員がパニックに陥り、
もはや肺の空気も使い果たして、ひゅうひゅうと馬鹿みたいにかすれ声を上げていました。
するとSがかけよってきて、お神酒をぐいぃっと飲み干して、
「もうお供え物はないっ。お前に供えるものはないから帰れっ!」と叫びました。
10円玉ががりがりと動き、『まだにくがある』とつづりました。
するとSは全員の腕や肩に噛みつき、
「この肉も全部あたしの物だっ」と叫び返しました。
それでも十円玉は、『いやだいやだかえらないかえらない』と綴り続けるのをみて、
Sは紙を破り捨てた後、墨につばを吐きかけ、その墨で机の上に大きく『YES』と書き付けた。
そして『こっくりさん』に、「もう帰るんでしょ?」と尋ねた。
抗おうにも、机に上には『YES』の一語のみ。
十円玉は未練がましくふるふると震えた後に動きを止め、指も離れました。
Sは真っ赤な顔で、
「おそろしいほどの馬鹿だなぁ君たちは。君たちの脳は、実はおからなんじゃないのか?
つばというのは結構強い力を持っているんだから、こんな遊びで使っちゃ駄目なんだよ。
遊び半分でこんなことをしたら、今度こそ取り返しつかなくなるよ」
と言った後、急性アルコール中毒で倒れました。
380 :S ◆XgAEzfsW8U :04/11/02 22:44:11 ID:L9C1HCg4
オチとしては、その後先生が駆けつけ、
(気づかなかったけど、かなり声や音が響いてた。
それで、さっきから来ていたらしいが、なぜかドアがいままで開かなかったらしい)
酒気帯びで昏倒しているSと、昼食を吐いて気絶していた女生徒から、ここで酒盛りをしていたと判断され、
開かなかったドアも、証拠隠滅の時間稼ぎのために中から誰かが抑えていた、ということになった。
そしてみんな仲良く、五日間の謹慎処分を受けました。
Sはみんなを救って二日酔いになったにもかかわらず、皆からはさらに敬遠されるようになりました。
関連話:
『高2の夏の空手合宿』 『悪いエンジェルさま』 『最強の退魔師を見た』 『エンジェル様を怒らせた』『こっくりさん』 『こっくりさんをした地味グループ』 『微妙な呪い』 『浮遊霊様』 『家族でコックリさん』 『狐狗狸さん』『エンジェルさま』
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