∧∧∧山にまつわる怖い話Part3∧∧∧
393:名前:橘:03/10/19 01:21
山の中に、近づいてはいけないと言われる淵があった。
ある男がその淵で魚釣りをしていると、なにやら足がむずむずする。
ふと足元を見ると、小さなクモが足の指に糸をかけ、淵の方へ戻っていった。
男は別に気にせず、釣りを続けていたが、またも足がむずむずするので見ると、
先ほどのより少し大きなクモが、男の指に糸をかけていた。
うっとおしいと思った男は、その糸を近くにあった切り株にかけ、釣りを続けた。
しばらくして、ふと先ほどの切り株に目をやると、
その切り株に、淵からやってきた何匹ものクモが、糸をかけてはまた淵へ戻っていく。
みるみるうちに切り株は糸で覆われ、真っ白になってしまった。
すべてのクモが淵に戻ってしまうと、淵の方から「それ引け、やれ引け」というかけ声が聞こえ、
その切り株は男の見守る中、ものすごい力で引っ張られ、淵に沈んでいった。
恐ろしくなった男は、釣り道具もそのままに、慌ててその場から逃げ去り、2度とそこへは近づかなかった。
次の記事:
『白い顔と鉈』『瓢箪から』『もう大丈夫』
前の記事:
『椀の池』『雪山の足跡』