Sシリーズ。
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?68
52 :S ◆8buudFBxyQ :04/03/07 14:37
何年か前、友人たちとアパートで飲み会をした。
その時、酔った勢いで心霊スポットに行くことになった。
知ってる人も多いだろう、大阪の有名なあのスポットだ。
たまたまいたSも誘っていくことになったが、私はあまり気が進まない。
Sは人付き合いが悪いというより性格が悪いため、友人らしい友人はおらず、
わりと整った顔をしているのに、いつもいやな感じのうすら笑いを浮かべ、
こちらから声をかけない限り話すこともなく、
まれに話すことがあっても(不謹慎だと分かっていてつい笑ってしまうような)皮肉ばかり吐く、
仲がいいとはとても言えないヤツだったからだ。
飲み会にも、ただ酒を飲みに来ただけといった感じで、誰も誘ってないのにやってきて、
まわりが怪談で盛り上がっていても、ただにやにや笑いながら黙々と(割り勘なのに)酒を飲むだけ。
そんなヤツをわざわざ誘ったのは、Sはちまたでは半信半疑ながら霊感があると有名だったからだ。
誘ったけどSは行かないと言った。
それでもそこをなんとか…と頼むと、
「そんなに行きたければ、4人で行けばいいじゃないか。
それとも、もっと人数が多くないと怖くて行けないのか?」
すると、短気でいつもSにくってかかるYが、
「うるせぇよ!こんなに誘ってもこないおまえこそ怖いんだろうがっ!
もう行こう。こんなやつもう誘うな」
「君の方がうるさいじゃないか。
そもそも小学生じゃあるまいし、口げんかでうるさいなんていい大人が言えるもんじゃない。
君はほんとに大学生ですか?しもの毛が生えそろっているかも疑問だな」
顔を真っ赤にしてものも言えないYを引きずり、私たちだけで行くことになった。
53 :S ◆8buudFBxyQ :04/03/07 14:37
その周辺まで車で行って、しばらくうろうろしながらだべっていたけれど、(内容は主にSの悪口)
結局何も起きないので、アパートに帰ろうと車に乗ったとき、
バックミラーに車の後ろにみっしりと並ぶ、青白い顔で焦点の合わない目をした人の群れが映った。
必死でエンジンをかけようとしたが、いくら鍵をひねっても何も言わない。
そんな気配を察したHが後ろを向いて悲鳴を上げたので、車内の全員がそれに気づいた。
彼らはあっという間に車を取り囲み、ペタペタ、ガンガンと音を立てていましたが、しばらくしていなくなりました。
そのときすぐにエンジンがかかったので、飛ぶようにアパートに帰った。
すでにSはおらず、全て飲み尽くされたビールやチューハイの空き缶が転がっているだけだったが、
そんなことを気にする余裕もなく、ただ全員が無言で帰宅した。
何週間かしてYが行方不明になった。最後の目撃情報によると、例の場所にぼけっと立っていたらしい。
何となくいなくなった理由は分かる。
みんなSの勧めで『よくきく』お寺にお払いに行ったのに、彼だけがこなかったのだ。
Sに聞くとにやにやしながら、Yにだけはお払いを勧めなかったと言った。
「前々からうっとおしかったし、格好の機会だと思って、何も言わなかったんだ。
おまえら全員背中に4,5人背負ってたから、ほっとけば必ず連れていくと思って」
Sは故意にYにお払いを勧めず、彼を行方不明にさせたのだ。
そんな彼女は今とある役所に勤めている。
今でも訪ねると、あのにやにや笑いで迎えてくれる。
56 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/03/07 14:52
>>53
Sって女だったのかぁ。
63 :S ◆8buudFBxyQ :04/03/07 20:43
>>56
確かに、Sは芝居がかった話し方をするので、文で表すと性別が分かりづらいですね。
さっきこれを書いている時に電話がかかってきたので出ると、
笑いを含んだ声で『もう少し美化して書いてくれるとうれしいかな』と言われたので、一部編集しました。
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