∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part65∧∧
20 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2012/10/29(月) 20:03:20.15 ID:3LceBR410
知り合いの話。
深夜の峠道を車で走っていると、行く手のバス停に誰か立っていた。
赤い服を着た女だった。一人きりで、荷物の類いは持っていない。
同色の大きなツバ広帽子を被っているので顔は見えなかった。
こんな夜更けに奇妙だなと思ったが、それ以上は気に掛けず、横を通り過ぎた。
幾つかのカーブを下った後、次のバス停が見えてきた。
何気なく目を遣って、ギョッとする。
赤い服の女がやはり一人で立っていたのだ。
見たところ、先程目にした人物と寸分違わないように思える。
どうにも気味が悪くて、出来るだけ目を向けないようにし、バス停を通過した。
それから峠を下りきる道中、全部で四ヶ所のバス停があったらしいが、
その何れにも赤い服の女が立っていた。
平野に出るとバス路線を外れて走り、ファミレスに入って時間を潰した。
あのまま真っ直ぐ家に帰ると、憑いてこられる気がしたからだそうだ。
明け方になり空が白み始めてから、ようやっと帰宅する気になれたという。
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