∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part64∧∧
103 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :2012/08/27(月) 23:43:41.88 ID:PVjWX0sY0
杣人に聞いた話。
仕事を終えて軽トラで山道を下っていると、前方に小さな人影が見えた。
道の真ん中にぼんやりと佇んでいる。まだ小さな子供らしい。
近づいてみると知人の息子で、確か小学校に上がる前の年頃だった。
周囲に人の気配は無い。知人の家はここから数キロ離れたところにあるのだが…
こんなところで何をしているのか?誰かと一緒なのか?
そんな問いかけにも、子供は口をつぐんだままで視線を宙にさまよわせるばかり。
埒が明かないので助手席に乗せ、車を知人の家へと走らせた。
戸口で呼びかけると女房が出てきたが、事情を話すと怪訝な顔になった。
「うちの子ならずっと家に居るんですが…」
その声に呼応したように、奥の部屋から当の息子がひょいと顔を出した。
狐につままれたような思いで車に戻ると、車内には誰もおらず、
助手席には大振りの木の枝が立てかけられていた。
次の記事:
『逃亡農民』
前の記事:
『山奥にある研究所』『奇妙な老木』『首吊り死体を見つけた』