◇ 心霊ちょっといい話VER.15 ◇
555 :本当にあった怖い名無し:2010/02/01(月) 17:06:19 ID:eXQVYWj50
>>554
何か横レスみたいになってすまん。
俺も北国暮らしなんだが、すごく癒やされた。ありがとう。
これから仕事なんで、とりあえず投下させてもらうわ。
我が家の仏壇には、他より一回り小さな位牌があった。
両親に聞いた話では、生まれる前に流産してしまった俺の兄のものだという。
両親はその子に名前(A)を付け、
ことあるごとに「Aちゃんの分も○○(俺)は頑張らないと」などとその兄のことを持ち出してきて、それがウザかった。
そして高校生の頃、典型的なDQNになった俺は、あまり学校にも行かず遊び歩いていた。
ある日、母親の財布から金を盗んでいるところを見つかった。
母親は泣きながら「あんたこんなことして、Aちゃんに顔向けできんの!!」と怒鳴ったが、
俺も鬱憤がたまっていて、
「うるせー!だったらてめえ、Aじゃなくて俺を流産すればよかっただろうが!」と怒鳴り返してしまった。
そして売り言葉に買い言葉だったのか、
母親が「そうだね!Aじゃなくてアンタが死んどったらよかった!」と叫んだときだった。
556 :本当にあった怖い名無し:2010/02/01(月) 17:08:34 ID:eXQVYWj50
『そんなことゆったら、めーー!!』という叫び声が頭の中に響いた。
舌っ足らずでカン高いその声は、ほんの幼児のものに聞こえた。
母親にも聞こえたようで、2人で「え?え?」と周囲を見渡すと、
拝む時以外はいつも閉めている仏壇の扉が、いつの間にか開いていた。
それを見た瞬間、母親号泣。おかしくなったのかと思うくらい、腹から声上げて泣いてた。
喧嘩してたのも忘れて慌ててなだめると、
「許してくれた…」「許してくれてたんだ」って何回もつぶやいてる。
そして母親は、ぽつりぽつりと話し始めた。
Aは流産したんじゃなかった。
俺と一緒に生きて産まれてきた。
Aと俺はいわゆる『結合双生児』だった。
でもAの方は俺に比べて未発達で、体もずっと小さかった。
俺の胸の部分に、手のひらくらいの大きさのAがくっついてるような状態だったらしい。
手術で切り離せばAは確実に死ぬ。
でも両親は俺のために分離手術に同意した。
未発達とはいえAは顔立ちもはっきりしていて、手術前に「ごめんね」と謝る母親の顔をじっと見ていたそうだ。
557 :本当にあった怖い名無し:2010/02/01(月) 17:10:52 ID:eXQVYWj50
それから母親はずっと、
『Aは自分を切り捨てた私たちを恨んでいるのでは』という思いがぬぐえなかったのだという。
だから俺にも、必要以上にAのことを話して聞かせていたのだろう。
Aの犠牲の上にある命なのだ、ということを忘れないために。
あの時聞こえた声が、Aのものである確証は何もない。
俺と同い年なら、子供の声っていうのもおかしいし。
でもあの声は、俺たちを恨んだり憎んだりしてる声じゃなかった。
家族が喧嘩してるのが悲しくて、幼いながらも必死で止めようとしてる、そんな感じだった。
もしあの声がAなら、Aはきっと家族を許してくれていて、ずっと見守ってくれているのだろう。
だから母親も俺も、あの声がAだと信じたかった。
俺は声が聞こえた日から、まじめに学校に通い始めた。
兄貴に一喝(?)されて、もう馬鹿やってる場合じゃねーなって気持ちになったから。
そんで勉強もかなり頑張って、現役で大学に合格できた。
合格発表の日、朝からゲロ吐きそうなくらい緊張して、
掲示板見た瞬間に、あまりの嬉しさに「うがああああ」って変な声上げちゃったんだけど、
その時、俺の奇声にかぶせて、あのカン高い声が「やったあー!」って聞こえてきたんだよね。
俺、本気で泣いた。
またいつか、声を聞かせてくれると信じてる。
558 :本当にあった怖い名無し:2010/02/01(月) 17:38:33 ID:4QDjgmwI0
>>557
(ノ_<。)うっうっうっ
559 :本当にあった怖い名無し:2010/02/01(月) 17:45:04 ID:tCLgzuMA0
>>557
泣いた
兄ちゃんは肉体は無くても557と一緒に生きてる
弟と喜びも悲しみも分ち合ってる
兄弟に幸いありますように
560 :本当にあった怖い名無し:2010/02/01(月) 21:23:16 ID:3wymlylD0
>>557
凄いいい話だ…
自分も北国住人。
この話に合わせるわけじゃないんだが、ごく最近自分も亡くなった兄と一緒に生きてるんだと思うようになっていた。
生きて産まれたかった兄が、自分の体を通じて一緒に生きているんだと。
憑依してるとかそんなんじゃなくて、>>557と同様に、身内だからこそ見守ってくれてるような。
(男っぽい生き方を自己肯定してるだけかもしれないけどw)
多分誰もが、どんな形であろうとも身内・祖先に見守られてるんじゃないかな。
あまり恥ずかしい生き方をしちゃイカンよね。
生きているなら、どんなことでも力の限り頑張っていこう。
生きて行かれなかった人の分、しっかり生きよう。
561 :本当にあった怖い名無し:2010/02/01(月) 22:36:26 ID:g9d1Lqx80
泣いた>>555-557
562 :本当にあった怖い名無し:2010/02/02(火) 15:06:29 ID:pIy+USrT0
>>558
>>559
>>560
>>561
レスさんきゅ。すげーうれしいです。
俺自体はこれ以外に霊的な体験をしたことがないし、
以前、『自称』霊感があるという人にこの話をしたら、
「子供の声ってのはおかしいよ。思い込みとか勘違いじゃないの」 って言われたりしたこともあって、
あんまり信じてもらえないもんだと思ってただけに余計うれしい。
もちろん俺は、例え確証がなくても、兄の声だと思って大事に覚えていたいと思ってる。
自分は生きられなかったのに、自分を犠牲にして生きてる俺の幸運を真っ先に祝福してくれたって考えると、
ありがたくていまだに泣ける。
ほんと、ねたみとか恨みとか全っ然感じさせない声でさ、
脊椎反射で出た俺の声と同じタイミングで「やったー!」なんてさ。絶対忘れねーよ。
580 :本当にあった怖い名無し:2010/02/08(月) 12:32:19 ID:jVWeJCsg0
>>562
遅レスだけど
水子は5歳ぐらいまで成長するってのは良くある話。
兄弟と見て間違いないよ。
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