◇ 心霊ちょっといい話VER.14 ◇
725 :本当にあった怖い名無し:2009/07/27(月) 18:08:14 ID:gmisH6qQ0
中学卒業間近のある日。
授業(自習?)かなんかで、今まで世話になった人に手紙を書きましょうみたいな、よくわからん時間があった。
周りのヤツ等は、友人や部活の顧問に一生懸命書いてた。
自分は最初「今どき手紙かよ」と思って馬鹿にしていたけど、なんとなく書かなきゃいけないような気がして、
半年前くらいに死んだじーちゃんに手紙を書いた。
まぁ届くはずがないんだが。
最期の時、意識もない寝たきりだったじーちゃんに伝え切れなかった感謝の気持ちと、
高校の制服姿を見せたかった気持ちを手紙にありったけ込めて、俺はばーちゃんちに向かった。
普段はろくに顔もみせないダメなヤツなのに、ばーちゃんは笑顔で迎え入れてくれた。
俺は奥の方の部屋にある仏壇に手紙をそっと置いて、手を合わせてその日は帰ったんだ。
726 :本当にあった怖い名無し:2009/07/27(月) 18:31:32 ID:gmisH6qQ0
それから数日たって、珍しくばーちゃんが家に俺を訪ねて来た。
「○○ちゃん、おじいちゃんから返事がきたで」
さらっと言ったもんだからすげービックリしたけど、とりあえず受け取って、
ばあちゃんが帰った夜、おそるおそる読んでみた。
便箋は二枚。
内容は、俺の身を案じている、俺のじいちゃんへの感謝は日ごろから伝わっていた、
お前の制服姿は誰よりもキマっている、
枕元で一生懸命色んな話をしてくれたのに、返事もしてあげられなくてすまない、
という感じだった。
二枚目を見ると、『お前の夢は叶う』とでかでかと書かれていた。
追伸には『ばあちゃんに代筆を頼みました』と震えた字で記されていた。
じいちゃんが書いたのか、婆ちゃんが書いたのか、
そんなのは関係なしに、その日は涙が止まらなかった。
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