【恐怖】山にまつわる怖い話し 巻の三【戦慄】
447 :底名無し沼さん:04/07/26 23:00
この3ヶ月で5回目の山行を終えて帰宅すると、夕餉の最中であった。
リュックを下して風呂かビールか飯か…と考える間もなく、
「いつまでたっても片付かないから、座って食べてしまってちょうだい」と妻の声。
仕方が無いと椅子に腰を下ろすやいなや、目の前にドンっとカレーの大盛りが置かれる。
カレーは今日明神で食ったんだがなあ、と言おうとしたら、
食べ終わってTVゲームを再開しようとした息子に向かって、
「いつまで遊んでるつもり?いい加減にしなさい!」と妻の怒気を含んだ声。
息子は慌てて勉強部屋へ。
うぉ、こ、こいつは、と思っている間に、
妻はテーブルの上の食器や、まだ一個も食べていないラッキョウの漬物まで片付けて、
布巾でテーブルの上を拭き始める。
俺まだ食ってんのに…。
この大盛りのカレーも、ジャーと鍋を空にしたかったためらしい。
ぽつねんとカレーを食べる俺に背を向けたまま、妻は一言も発せず食器を洗い続け、
食器の触れ合う音だけがカチャカチャと響く日曜午後7時。
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