◇ 心霊ちょっといい話VER.5 ◇
90 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/06/11 18:08
心霊じゃないけどさ・・・・・不思議は不思議なできごと。
小学校低学年の頃。家の近所に市電、つまりちんちん電車が一両捨てられていた。
原っぱの一角に錆びだらけで放置された車両。
今考えてみればちょっと薄気味悪いが、当時の子供たちにはかっこうの遊び場だった。
子供のよく作る秘密基地、この車両も当然ながら秘密基地化していた。
その日、私はひとりで秘密基地で遊んでいた。
いつものメンバーがほかで遊んでいることは知っていたが、なぜか猛烈にここに来たくなったのだ。
ひとりということで妄想全開で遊んでいると、急にひとりの女の子がはいってきた。
同じくらいの歳の子だが見たことのない子だった。
そして入ってくるなりこう言ったのだ。
「あっ、ほんとにいた!」
普通、この手の話だとこの女の子が実は……ってなことになるのだが、
昨日引っ越してきたばかりの『生身の』女の子だった。歳も同じ。
彼女は続けてこんなことを言った。
「昨日夢を見たの。きれいな女のひとが、古い電車を見つけることができたら友達ができる、って言う夢」
夢を信じ、来たばかりで右も左もわからない街で電車を探してまわったそうだ。
そんなものがあるかどうかもわからないのに。
でも原っぱでほんとうに電車を見つけ、ほんとうに同い年の私を見つけたのだという。
「友達になってくれるよね」
不思議な出会いであるが、断る理由はなかった。
彼女とは現在もつきあいがある。
というか……今私の嫁になってます。
次の記事:
『堅物だったじいちゃん』
前の記事:
『成人のお祝い』