◇ 心霊ちょっといい話VER.4 ◇
944 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/10 21:20
元号が昭和から平成に変わろうとしてた頃の話です。
当時私は二十代半ば、彼女も同じ年でした。
付き合おうかどうかという時期に、彼女から私に涙ながらに電話・・・
『結婚は出来ない体だから付き合えない・・・』
夜中でしたが、気になるので彼女に会いにいきました。
そして彼女から、
『一度乳癌の手術をしているから・・・片胸が無いの・・・私』
「・・・でも、・・・それは僕にとっては、結婚出来ないという条件ではないよ・・・」
私も彼女が好きでしたし、実際片腕片足が無くとも好きな人は好きになる(例えが悪くてすみません)性格でしたから。
そうこうしている内に、お互いが一緒に住むようになりました。
が、幸せ気分も束の間で、彼女の肺に転移しているかも知れないという、検査の連絡が入ってしまいました。
急遽入院で、後は検査の連続で(肺への内視鏡検査はつらかったそうです)二週間が過ぎた頃です。
見舞い時間が過ぎて、帰りがけに彼女が「左の足が少し引きずって歩いているみたい」というので、
「症状を先生に話してみるね」と言って帰りました。
次の日、先生に報告すると、「・・・明日、頭を検査」。
私は当時何もしらない馬鹿者でしたが、足→頭の検査でびっくりしたのを忘れられません。
検査した夜、CTスキャンの結果を聞きに行かなくてはならなかったのですが、
彼女には「大丈夫だよ、大した事無いって」と言いながら、震えながら病院の応接室に入って行きました。
先生は若い方で、私達を真剣に励ましてくれる方でした。
その先生も現状が悔しかったらしく、
第一声が「どうしようも・・・」と、少し涙を浮かべながら話してくれました。
やはり脳内にも転移していたんですが、
「癌細胞の成長が早くて、周りの脳を圧迫しながら進んでいる。
摘出したいが周りが柔らかくなっているので、今の医学では不可能なんだ・・・」
945 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/10 21:21
私はもうぼろぼろに泣いていましたが、勇気を出して「どれくらい持ちますか?」と聞きました。
入院はしているものの彼女はとても元気で、見るだけでは病人とは思えなかったのですが、
先生いわく「何もしなければ2ヶ月。延命処置を取れば半年だろう」とおっしゃいました。涙ながらにです。
「治療しても半年??」
「治療とは言えない、延命処置だ・・」
その方法とは放射線治療の事で、激しい嘔吐や脱毛、目まいを伴うものです。
私は考えました。考えましたが、とてもその場では判断出来る物ではありません。
せめて余命2年とかであれば、抜けた髪も生え揃うであろう。でも、半年なんて・・・
次の日、先生に外泊許可を得て、二人で自宅に帰りました。
その夜、彼女のほうから「検査の結果、聞かせて・・・うそは無しで・・・」と言われ、
私は言葉に詰りそうになりながらも彼女を信じ、正直にすべてを伝えました。
この瞬間が今までの人生で(未だに)辛かった時です。
言葉は省略させて頂きますが、二人ともぼろぼろに泣きながら、
でも、特に彼女は強く理解して、残された人生をどう生きるか決断をしました。
「退院して、少しでも楽しもう!」
翌々日、病院に帰り、先生に二人の考えを伝えたところ、
「頑張れよ!負けるなよ!」と励ましていただき、2日後に退院しました。
その後すぐに旅行社に行き、新婚旅行の手配と、
『結婚しました』の葉書を作り、友人一同に送り(彼女が病気だとは誰一人知らない)、
みんなで祝ってもらいました。
余命2ヶ月と言われながらも彼女は本当に頑張り、
退院4ヶ月後の『花の博覧会』にも(車椅子生活になりはしましたが)行く事が出来、喜んでくれました。
しかし、病気は確実に進行し、まもなく自宅療養が不可能な状態になり再入院。
雨の降りしきるある晩に意識不明になり、翌朝、私の腕枕の中で帰らぬ人となりました。
恥ずかしいながら、15年近くたった今、彼女のすべての強さに、私は追いつくことが出来て居ません。
946 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/10 21:23
前置きが長すぎるんですが、
二人同居を始めた頃に、銀行の口座の暗証番号やらもろもろの番号を統一しようと、
二人の誕生日を足した数字『○△◇■』を決めて生活していたんですが、
彼女が亡くなってしまって暫らくした頃に、公的な機関への書類提出で死亡診断書が必要になり、
病院で2通取ったんです。
で、内1通がなぜか開封状態で手元に来たもので、見てしまったんです。
死亡原因、病名云々のなかに眼に留まった死亡時刻、
『平成*年*月*日 ○△:◇■分』
二人で決めた暗証番号が並んでいました。
きっと本当の偶然でしょうけれども、私は『忘れないでね!』と彼女が言ってると今でも思っています。
勿論、死ぬまで忘れる事は無いでしょう。
ここを見ている若い女性の方々、是非、健康管理には気を使ってください。若くても大病はするかもしれません。
同じく、彼女、もしくは奥様が居られる男性の方々、パートナーの健康に気を付けてあげて下さい。
どんな病気でも早期発見、早期治療が第一です。
私は彼女を救ってあげれませんでした。
しかし、今ここを見ている人たちは万が一なにかあった時、きっとパートナーを救えます。
見落としが無い様にお互い注意してあげてくださいね。
本当に長々とスレ汚し、すみませんでした。
13回忌が過ぎた今、少し人に話したくなりました。
950 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/05/10 23:47
彼女の家族が出てこない
。・゚・(ノД`)・゚・。
952 :944です:03/05/11 11:23
皆さん、駄文にも関わらず読んで頂き、有難う御座いました。
皆さんのこれからの人生のご健康を願っております。
彼女の家族の事が出ていましたので、一つだけ追記させて頂きます。
小さい頃に彼女はお母さんと生き別れになっていたんですが、生前に一言だけ私に、
「私、この病気を治したらやりたい事が一つだけある。お母さんを探すの、手伝ってくれる?」
「勿論」
当時、私の持てる知識いっぱいいっぱいで探したところ、見つかったんです。
彼女の他界する一週間前だったんですが、お母さんは遠路はるばる、本当に遠い所から逢いに来てくれました。
そして最後の瞬間までそばに居てくれました。
当時別の家庭と生活があったにも関わらず、私の呼びかけに答えてくれたお母さん、
この場を借りて感謝申し上げます。って、見てませんよね・・・
これ以上書いてしまうと個人が特定されそうなので控えますが、
偶然にも見つける事が出来たお母さんといい、死亡時刻の4桁の数字といい、神がかり的な事ってありますね。
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