∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part50∧∧
『白い腕』
22 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2010/07/07(水) 19:46:30 ID:krCeJQcG0
友人の話。
「山に登ってると、手が見えることがあるんだ。
えらく長い白い腕が、こう、ピクリともせず藪から突っ立ってるの」
そう言って彼は、片腕を上の方へ真っ直ぐに伸ばす格好をした。
「死んだ祖父ちゃんが言ってた。そんな手には絶対捕まるんじゃないぞって。
彼岸に連れて行かれるからだってさ。
思えば確かに、過去に遭難とか事故があった峠道でよく見たな」
「他にどんな場所で見えるかって?
うーんそうだな。人が溺れ死んだ池とか沼なんかでも結構見える。
水面からヌゥッと、細いのが何本か突き出ているんだ。
アレに捕まったら多分、溺れちゃうんだろうな」
そういう彼は時々、地元の滝で遊泳監視員を手伝っている。
ちなみに彼が手伝い始めてからは、水難にあった子供はいないそうだ。
『傷跡』
23 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2010/07/07(水) 19:48:15 ID:krCeJQcG0
友人の話。
近場の山に、山菜狩りに出向いた時のことだ。
灌木の影に蕨の群生を見つけ、根刮ぎに取っていた。
奥の方まで腕を突っ込んでとことん毟ろうとしていると、手に激痛が走った。
何かに噛まれた!
慌てて引き抜き、傷を確認する。
傷自体は大したことはなかったが、一目見て心底ゾッとしてしまう。
右手に刻まれていたのは、どう見ても人に噛まれたとしか思えない歯形だった。
それ以来、山菜を採りに出掛けても、取り尽くさないよう注意をしているそうだ。
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