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『原生林の山』2/2

「『原生林の山』1/2」の続き
∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part47∧∧

66 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 23:21:32 ID:q4sbT+/B0
ラガーメンが走った。私には、コマ送りで老人に突進した様に見えた。
やりやがった。こいつは男の中の男だ。自分の身を危険にさらして、我々を助けようしたのだ。
この先、この男には一生頭が上がらないだろう。

違った。この男は、我々を置いて一目散に逃げ帰ろうとしたのだ。
(全国のラグビー関係者の方ごめんなさい。
 こんな書き方をしたら、ラガーメン全体がそうなんじゃないかと誤解を生みそうですよね。
 断言します。たまたま、この男がラグビーをやっていただけの話なんです)

突進したかの様に見誤ったのは、老人が立っている方向が、仕事現場の最短距離だったからだ。
しかし、こう考える事にした。
彼は最短距離で現場に向かいつつ、ナニカが起こったら老人にタックルを入れるつもりだっただと。 
なにより私には、彼を責める資格など無い。私だって『ブーを喰え』などと念じたのだから。

老人の姿勢は変わらない。直立不動で立ったまんまだった。チャンス、今しかない。 
私とブーが、ほぼ同時にラガーメンの通った後を追った。


67 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 23:25:51 ID:q4sbT+/B0
なんとか何事も無く、作業現場まで着く事が出来た。 
一番最後にあの場を出たと考えられるJリーガーが、一番最初に着いていた。(脚力はハンパじゃねぇな)
4人とも無事だった。
作業現場に着いた安心感からか、
体が硬直して、煙草を胸のポケットから取り出し火を点けるのに、随分時間が掛かった。

「見たか?」
「アァ」
仲間が同時に返事した。
「首吊り死体じゃないよな?」
「ありえん」「この季節なら腐ってるだろ」「だよなぁ~」
こんな様な会話をして、今後どうするのか決める事にした。
(協力会社の連中には若い人達も居るし、ちょっと現場から離れた事務所には女の子もいる)
それに大の男が、山の中で生きてる様な死んでる様な老人を見たとか、そんな曖昧な事は断じて言えない。
もう一度カメラでも持って見に行く度胸なんてサラサラない。大金を積まれても断る。

一番信頼のおけるBOSS的な年長者にだけ、話をする事になった。


68 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 23:30:00 ID:q4sbT+/B0
その日の作業が終わり、我々は一番Bossの機嫌が良い時を見計らって話を切り出す事にした。
Bossの機嫌が良い時とは、風呂上りに飯を食いながらビールを一、二杯やってホロ酔い状態の時の事です。
上の者に何らからの相談事がある時は、このタイミングが一番良い事を、長年の作業生活で心得ている。

「あの~実は、ですね。午後から貫通地点を見に行ったんですけど、ヌタ場を見つけたんですよ~」
「おぉ~。そうか、そうか、猪ワナでも仕掛けるか~」
Bossは、冗談とも本気ともとれるような返事をした。
「いぁ~」
中々、肝心な事を言えない。
「そのヌタ場に白い着物を着た老人が~」
Bossはビールを飲むのを止め、我々の話をじっと聞いてくれた。

「ワシものぉ~。○○の現場で○○を見てのぉ~。ワシはな、それに話かけたよ」
(それ以上は語らなかった。作業歴40年オーバーになると、流石に不可解な現象にも出くわしてる様だった)

「わかった。わかったから、もうその話は、よせ」
「ハイ」と返事をし、我々もそれ以上言わなかった。


69 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 23:46:23 ID:q4sbT+/B0
仕事に没頭している時間は、あの老人の様なモノ?を忘れる事が出来る。
問題は、一人になった時間の事だ。釈然としない。どうも納得できない。

その作業現場では、ダイナマイトを使用してのトンネル掘削であり、火薬を使用している為、
一般の方々が現場及び現場周辺に立ち入れないよう、安全対策が取られている。
あの原生林の中で出会ったのが猟師なら、まだ話はわかる。出会ったのが熊とか猪でもよかった。
腰ベルトに挿してあったハビロ(小型の斧)を使えば、対処できるのだから。

考える→わからない→考える→わからない。

もう忘れる事にした。なかった事にした。記憶の片隅に封印する事にした。
酒を飲む量が多くなった。強い酒を飲むようになった。
なにかの拍子に思い出してしまう。思い出す自分に腹が立った。

先発隊の協力会社の中で若くて素直そうな子にターゲットを絞り、「何か知らないか?」と聞いてみた。
知っていた。
「この辺りは、ちょっと前まで土葬の習慣があったみたいですよ」
「土葬くらいなら何所でもあるよなぁ~」って返事をしたものの、
内心では、火葬の方がいいんじゃね?ゾンビになって出てきたらどうすんだ、と思っていた。


70 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 23:49:29 ID:q4sbT+/B0
女の感は鋭い。女房から、「あんた私に何か隠し事をしてるでしょ?」と問い詰められた。
そら~隠し事は山程あるけんど、原生林であった老人の様なモノ?の話は出来ない。
しゃべって怖がらせる事はない。
女房に話せば100%子供達にも伝わる。子供達まで巻き添えには出来ない。

変わらない日常が続き、およそ3年が経った。
日薬とはよく言ったもんだ。老人の事は、極たまに思い出す程度になっていた。
だが、実父の死により、あの日の出来事が鮮明に脳裏に蘇ってきた。
(実父の死と老人の因果関係は全くない。年齢によるものと病気によるものでの死です)


71 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 23:53:56 ID:q4sbT+/B0
葬儀の段取りは、全て業者がやってくれた。
『湯灌の儀』後、業者が着せてくれたのは、真っ白い着物だった。真っ白い足袋も履かせてくてた。
顔にも白い化粧をしてくれた。
気がついた。この瞬間、あの老人が着ていた着物は、『死に装束』だっと。
そして顔は、『死化粧』だったのだと。
ただ、何故あんな場所(原生林)に、死に装束と死化粧を施した老人の様に見えたナニカ?が、
いたのかわからない。

調べる事にした。苦悩した日々と決着をつける時が来た。
自分自身に納得がいく答えを出したかった。コジツケでもよかった。
無理やりにでもツジツマを合わせるつもりだった。


72 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 23:57:17 ID:q4sbT+/B0
PCで【長野県 怪奇 心霊 不思議】の文字を入力して、
自分達と同じ様な経験をした記事が載ってないか探した。 
自分自身のモヤモヤを吹っ切る為にも、少しずつ丁寧に探してみた。

【長野県 伝説】で、ぉ”これは?って記事にぶつかった。
(姥捨て山)伝説。この伝説に纏わる記事、また、関連記事を何度も何度も読み返した。
↑この伝説が実際にあったと言われる見識者の方がいらっしゃいます。
↑これは、伝説だと言われる見識者がいらっしゃいます。
真偽の程は、私にはわかりません。
ですが、私個人では、実際にあった出来事ではなかろうかと考える話の方向で、レスを進めさせて頂きます。


73 :本当にあった怖い名無し:2009/09/15(火) 00:00:29 ID:A7o2nD9H0
楢山節考のDVDを借りてきて見た。
父が他界し、どんどん子供にかえっていく母がいる。 
我々、40代以上の世代ってのは、少なかれ同じような問題をお抱えになっていると思われます。
姥捨て山伝説が、事実なのか物語りなのかは、私にはわかりません。
しかし、その当時の村の掟、地域の定めとして、その様な事実があった場合、私ならどうするか考えてみました。
当時の食糧事情が、現在程良かったとは考え難い。 
食べる物が無いから、自分の命を犠牲にして新しい命につないだんだと思います。
(ごめんなさい。重い話になってきましたね)
私が村の掟?地域の定め?による規定の年齢に達し、足腰が丈夫なら、
自ら死の決意をし、誰の目にも触れないよう原生林の中に踏み入っていき、
確実に逝けるよう、自分の体重を支えられる太い枝を捜し・・・
もう、これ以上書けません。(申し訳ありません)


74 :本当にあった怖い名無し:2009/09/15(火) 00:04:41 ID:A7o2nD9H0
お盆の季節でした。
自分(老人)の息子達?に近い年齢の私達が、ひょっこりと原生林の中に現れ、
懐かしくてチラッとお姿を見せたのかも知れません。
いぁ。いぁ。そんなハガな。
あの夏は暑かったし激務で疲労してたし、
現場のシートが風に流されて木に引っ掛かり、臆病者の私達が勘違いしただけだよなぁ~。
それプラス、山から何かしらのガスが出ていて、テンパッテたんだとかさぁ~。
だって子供の頃から、「霊」とか世間一般に言われてるのは、
半身だったり、体の一部だったり、半透明だったり、足がなかったり、
いくら大出血サービスだと言っても、あんなモロダシはないよなぁ~。


75 :本当にあった怖い名無し:2009/09/15(火) 00:08:49 ID:A7o2nD9H0
最後に・・・
閲覧者一同様及び激励のコメントをくれた方々へ

板を独占して申し訳ありませんでした。m(_ _)m
そして最後までお付き合いしてくれた方へ有難う御座いました。m(_)m

老人を見る前までの私・・・大槻教授派
老人を見た後の私 ・・・オカルト背定派

今では、雪男でも信じそうですw


76 :本当にあった怖い名無し:2009/09/15(火) 00:17:21 ID:ABafepVcP
>>75
乙。楢山節考まで出してくれてありがとう。
実は、姥捨て伝説に引かれて旅行しようと思った舞台でした。

自分が老いたときに不要と言われて、自ら山に上がる老人たちってのは、どんな心境なんだろうな。
あと数十年で俺もヒトゴトじゃなくなるww

ちなみに幽霊は、半透明だったり足がないほうが珍しいよ。
長編、お疲れさんでした。


77 :本当にあった怖い名無し:2009/09/15(火) 00:53:07 ID:A7o2nD9H0
>>76
76様 いえいえとんでも御座いません。こちらこそ有難うです。

事件があったのは、30代後半の時分でして、まだまだ体力的にピークよりやや下加減であり、
正直に申し上げて怖いもの知らずでした。

自分が老いたときに・・・私が最初の一人目なら、限りなく抵抗するでしょう。
しかし、一人目じゃない場合なら、順番ですから喜んでとは言いませんが、
現在、孫もいますが、息子や娘達に悟られない様に、コッソリと深夜に山奥へと・・・

ちなみに幽霊は・・・子供の頃に見た雑誌かTVで、幽霊ってのはそんなもんだと思い込んでいました。
貴殿のおかげ様で認識が変わりました。

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