∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part47∧∧
44 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 18:37:43 ID:q4sbT+/B0
なるべく事実のみを正確にお伝えする様に努力いたしますが、
協力会社及び地元住民への配慮から、
実在する会社名や地域を、特定出来ない様に遠まわしに表現する事をご理解下さい。
事務系の仕事をした事がありませんので、
誤字脱字、又、文法等におかしなところが多々現れると予想されますが、
皆様方で脳内変換して読まれて下さる様ご協力下さい。
この話は、墓場まで持って行くつもりでしたが、
反面心のどこかでは、誰かにお話して、私達が目撃した『モノ』はいったいなんだったのか、
この板を覗いている皆様方のお力をお借りししまして、解明できる事を切に願っております。
45 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 19:00:39 ID:q4sbT+/B0
年齢・・・40代板の住人
仕事・・・山岳トンネル関係者
場所・・・長野県
場所・・・クマタカ生息地域の原生林
場所・・・日本史において悲惨な事実?の過去あり(後でわかった事)
人物・・・大学ラグビー部中退者(花園がどうのと言っていたが、今は、夜の花園に通っている脳筋)
人物・・・大学相撲部中退者(ヤンマガのアゴナシげんにそっくり)
人物・・・某Jリーガー補欠推薦者(海外遠征がどうのと言っていたが、逃げ足だけは速かったなぁ~)
季節・・・真夏(8月)
時間・・・炎天下の15時(原生林の中ではあるが明るいお昼)けっして薄暗くはない
目撃したモノ?・・・モロ ドモロ 激モロ←この表現意外思いつかない。
幽霊だとしたら半透明とか足がないんだろ?
会社・・・元請のやつら知っていたんだろぅ?(常用単価が当時しては、相当よかった)
反省・・・年長者の言う事は、信じるべきだった。(現物を目撃するまでは・・・ 実は、私は、大槻教授派)
儀式・・・山の神を鎮める為に、神主さんを呼んでそれなりにやる
儀式・・・通常儀式は、『鍬入れの儀』とか『鉄扇の儀』をやるのですが、
我々が目撃した『ナニカ?』の影響?怨念?兎にも角にも豚の角煮も、
通常では起こり難い重機トラブルや極々軽い人身事故(アカチン災害程度)が多発した為に、結局3回やった。
伝説・・・昔話?実話?この地域及び日本各地に似た様な昔話あり
(現場に乗り込んだ時は、んなぁ事は知らなかったよ)
前置きはココまで。
次回より文章で表現します。
47 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 19:50:03 ID:q4sbT+/B0
その日は、珍しくJVトップの現場所長による朝礼から始まりました。
「え~皆様、お暑い中ご苦労様です。
まだまだ猛暑が激しいですので、熱中症などにならずに、こまめに水分を補給して作業に取り掛かって下さい。
うんぬん・・・」
ここまでは、ありきたりの朝礼の様子でした。
「え~皆様にご連絡があります。
現場周辺に巣を作っているクマタカがタマゴを生んだとの報告を、
日本野鳥の会の人から先日より連絡を受けていたのですが、
発破作業による音に驚いて、タマゴを抱かなくなった疑いがあるので、
本日の作業は、重機のメンテナンスと作業場点検に切り替えます。うんぬん・・・』
またか。
以前にも○○の現場で、発破作業の音に驚いた放牧している牛のチチが、出んくなってとかあったなぁ~。
補償問題になったとかならんかったとか。
まぁ~よくある話だぁ~と内心思っておりました。
&ラッキー、今日は遊びになるなと、不謹慎にも考えてしまいました。
午前中は、現場トップの顔を立てる?マジメに重機&現場の点検をしておりました。
49 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 22:15:15 ID:q4sbT+/B0
いつもの倍くらいの長い時間の昼休みを取って、(こういう事態時は、現場お偉いさん達も大目に見てくれる)
昼からナンスッカナァー。アチィのに仕事したくないなぁ~。
「松茸でも見つけに行こうぜ」と、相撲をカジッタ事がある巨漢作業員が言い出しました。
まだ8月初旬なのに、松茸が生えている訳がない。
素人には、それに見つけるのは絶対に無理。せいぜい毒キノコ発見で終わる。
そう思いつつも、間髪を入れずに「山イモも探そっ」と、
Jリーグ補欠推薦を断って人生を台無しにしていると思われる長身作業員が、相槌を打ちました。
当然、私同様、クソアチィの午後からの仕事をサボろうと考えたと思われるラガーマン作業員も、
「行くべ」と脊髄反射で応えました。
51 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 22:20:37 ID:q4sbT+/B0
いくらお偉いさん達が大目に見てくれるとはいえ、
午後からの作業日報に『作業内容→松茸&山芋見つけ』とは、ズ太い私でも書けない。
遊びに行きたいが、言い訳を考えるのに困りました。
コレほどにも子供の頃、もっと勉強をしてよけばよかったと後悔した事はありません。
三人寄れば文殊の知恵と言いますが、四人いればすぐにマ~ジャンを始める私達でも、悪知恵がヒラメキました。
午後からの作業日報には、『貫通地点の下見』と書き込む事に決定し、
2時間も取った昼休み後、川口ヒロシ探検隊のごとく貫通地点を目指しつつ、
原生林の中に踏み込んで行きました。
趣味が登山とか本職の方とかならお分かりなられると思いますが、
登山道orけもの道でもない限り、原生林の山を登って行くは、山男の私達でさえ骨が折れます。
20分おきに一服を入れつつ、(タバコの灰柄は、もちろんポケット灰皿に入れてます)
毒キノコ等を探し目的地点を目指しました。
54 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 22:40:05 ID:q4sbT+/B0
当然の如く松茸など見つけかる訳もなく、毒キノコさえ発見する事も出来ずに、
それでも、ズンズン貫通地点を目指して原生林の奥に踏み込んで行きました。
「モウチット行ってナンモ無かったら帰ろうべ」と、相撲ブーが言いました。
振り返ると、全身水を被った様な大汗をかいてヘバっております。
「ワカッタ」と短く応え、私を含め仲間を休ませる為に3回目の一服タイムを取りました。
時計をみると、午後の3時前を指しておりました。
いよいよクライマックなんだけど、やっぱり書き込むのを躊躇ってしまいます。><
チョイ根性入れるので焼酎飲みます。(しばらくお待ち下さい)
56 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 22:51:52 ID:q4sbT+/B0
麦焼酎をロックでやっております。(焼酎の勢いで書きます)
一服付けてる最中に風向きが変わったのか、かすかな獣臭が漂ってきました。
ラガーメンが「チョイ見てくっで待ってて」。
Jリーガー「オイも行く」。
流石あのお二人は持久力あるよなぁ~人間離れしてるよなぁ~
顔も人間離れしてるけどと、箸より重い物を持った事がない私は関心しておりました。
「あったど~」と声が聞こえたので、声が聞こえた方向に相撲ブーと二人でエッサラ、エッサラ歩いて行きました。
予想通りあったのは、『ヌタ場』(※猪が草の上や泥土の中などに寝ころんだ跡)でした。
57 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 22:55:47 ID:q4sbT+/B0
ヌタ場を発見した事により、妙な満足感と達成感を得て、当初の目的(松茸&山芋)をすっかり忘れ、
今、引き返したら、丁度現場終了時刻のちょっと前に着けるなどと、脳内PCではじき出しておりました。
現場に引き返す為に来た道を歩きだすと、(なんぼも歩いていない)
そいつは我々に一切の気配さえ悟らせずに、大木の横に立っていた。
大木の横に立っていたのは、真っ白い着物を着たパット見185cm前後の老人。
ありえない。ハガばっかしやっているとはいえ、ワシらだってプロだぞ。
誰かがいたのなら気が付いているはず。
ありえない。動物だって植物だって生きているのなら、生きている証として生気を放っているはず。
ありえない。なんだこれは、人なのか。
ありえない。なんだ、なんでこんな所に老人がいるんだ?
ありえない。足は、あるのか?足は、ある。真っ白い足袋を履いて、草鞋も履いている。
あまりにも唐突な出会いの為?今風の言い方にするのなら、想定外の出来事の為?
心拍数が上がり、ドキドキし過ぎて胸に痛みを感じました。
混乱しかけてる頭に冷静さを取り戻す様に、まて落ち着け、なんなのか見極めろ、と自分に言い聞かせました。
59 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 22:59:53 ID:q4sbT+/B0
無理やりに恐怖心を押さえ込み、まてまて、冷静に考えるんだ。今の状況はどういう事なんだ?
予想外の出来事に出くわして私の体からは、脳内化学物質エンドロフィン、アドレナリンが噴出しまくって、
心拍数が異常に上がっていたのと、脳が高速回転?して、
それからの数分間の出来事を、スーパースローの映像を見てる様に覚えています。
急に、当初現場に乗り込んで来た時の事を思い出す。
近所の酒屋に寄って焼酎とビールを買ったのですが、その酒屋のお婆ちゃんが、
「あんたら、あんな場所でよう仕事してるねぇ~」って、ボソッと言ったのを思いだす。
あんな場所とは、『人里離れた山奥で仕事して大変だねぇ~』っと言ってくれてるもんだと勝手に脳内変換して、
「あはははw金の為にしかたなく働いてるんです~」っと、ありきたりの返事をしました。
(お婆ちゃんの指していた『あんな場所』の意味合いが違っていたのは、あとで判明します)
60 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 23:03:43 ID:q4sbT+/B0
ほんの少しだけ冷静さを取り戻しかけた私は、
もう一度よく見るんだ。今おかれている状況はどういう事なんだ?とりあえず整理し直せ。
そして、状況を突破する為の最善の手を打てと、何度も自分に言い聞かせました。
私の姿勢は、無意識のうちに防御でも攻撃でもどちらでもいける型をとっていた。
その老人を凝視する。
老人と我々の距離は、およそ4m前後
老人は、真っ白い着物を着て直立不動で立っている。
老人には、ちゃんと足がある。ハッキリと見えている。
真っ白い足袋を履いている。草履は、古いTV時代劇に出てくるアレだ。
老人の髪は、腰のあたりまで髪が伸びている。
老人の顔は、志村ケンが演じるハガ殿の様に、真っ白い化粧?おしろい?がしてある。
老人の視線は、ある一定方向に定められている。我々と視線は、あっていない。
老人は、男性なのか?女性なのか?わからない。男性にも女性にも、見ようによっては見える。
老人はの頭には、これも古いTVの時代劇に出てくるような、藁で編んだゴザの様な帽子をかぶっている。
63 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 23:09:12 ID:q4sbT+/B0
老人の体型は、お笑いのアンガールズの様に背が高く、そしてガリガリに痩せている。
老人は、生きているのか?生きているのなら呼吸をしてるだろ?よく見ろ俺。老人の胸を辺りを凝視する。
どうも呼吸してない様だ。
じゃぁ一体、目の前にいるモノは、人形なのか?こんなリアルな人形があるのか?
ハリウッドの特殊メイクチームが、我々を驚かす為にイタズラでココに置いたのか?
(くだらん。あるわけないだろそんなこと。否定する俺)
じゃあ一体全体、俺達が見ているモノ?は、なんなんだ?
これが白昼夢なのか?夢なのか?こんなリアルな夢があるのか?
わからん。わからんからハッキリ言って怖い。
心臓がバクバクし過ぎて、自分の心音が耳に聞こえる。心臓痛い。
ここでワシは、心臓麻痺で死ぬのか?
まだ死ぬわけにはいかんのよ。ワシが死んだら子供達が悲しむ。女房喜ぶ?
じゃあ状況をどうやって突破する?逃げ出したい。ココからすぐにでも逃げ出したい。
ダッシュして全速で駆け下りたい。でもその一歩が踏み出せない。
足を動かしたら、その老人に見える何者かに気づかれる気がして
64 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 23:12:20 ID:q4sbT+/B0
それに、その老人に見える何者かに背を向けるのは、怖い。背後から襲われたら対処出来ないと思うから。
まて。仲間はどうしてるんだ?
右目で老人に見える何者かを凝視しながら、左目で仲間達を見た。まるでカメレオンの様に目玉を動かした。
(人間、究極の状態?に置かれたら、体の方が対処してくれる様だ。
今、もう一度やれと言われても、二度と出来ないだろう)
ラガーメン・・・すぐにでもタックル入れられるような体制で固まっている。
相撲ブー・・・相撲の立会いの様な体制で固まっている。
Jリーガー・・・ブーの巨体の影になってハッキリ見えない。
老人の顔をもう一度よく見る。男性だか女性だか判らないが、深い皺が刻まれている。
整った顔だ。山神様なら醜女と聞いている。
だからこの世界に入った当初は、山の神様への貢物として酒、野菜、魚、
魚に限っては、オコゼと相場が決まっていたのだ。今では、魚は鯛が多いけど。
だとしたら、山神様ではない。
高速回転してる状態の脳が、どんどん質問と答えをだす。
65 :本当にあった怖い名無し:2009/09/14(月) 23:18:06 ID:q4sbT+/B0
帰りたい。一刻も早く現場に戻りたい。この場から逃げ出したい。情けない男と言われてもいい。
で、この場から立ち去る為の最善策とはなんなんだ?考えるんだ俺。
訳の判らんモノ?を相手にしてるうちに、どんどん時間だけが過ぎていくんだぞ。
ボヤボヤしてたら夕暮れになっちまうぞ。
薄暗い森の中で、ずっとこの状況でいれるのか?
無理。耐え切れない。だったら何らかのアクションを起こせ。
ここでTVや映画や小説の世界なら、
自分の身を犠牲にして仲間を助けるっていうストーリーが定番なんでしょうが、
私には、そんな余裕は一切ありませんでした。
ヒラメイタ!念じてみよう。
あの生きているのか死んでいるのか判らない老人に向かって、私は念じた。
普段から信仰心の薄い私が、ありがたい仏教の経典など唱える事など出来る訳が無い。
私が念じたのは、
『ブーを喰え。牛でも豚でも魚でも、程よく脂が乗っているのが一番美味んだぞ』(ヒドイよなぁ~)
力の限り念じてみた。
無駄だった。なんの状況も変わらなかった。
「『原生林の山』2/2」に続く
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