「『俺の後ろに何かいる』16/18」の続き
完全隔離避難所
537 : 幽戸 ◆Ttgou0pFR. :2006/04/09(日) 11:06:36
おはよう
朝まで待機してくれてた方々
とりあえずROMってた方々
サブ管理人の方々
ありがとうございました
何も無く、この通り元気です
542 : 幽戸 ◆Ttgou0pFR. :2006/04/09(日) 11:16:13
一昨日告げた通り
先日、色々な場所を巡ってきました
海、山、街中
名前の知れ渡っている所から、人気のないトコまで
543 : 幽戸 ◆Ttgou0pFR. :2006/04/09(日) 11:26:17
原付で移動していたとは言え
大移動の繰り返しだったタメに
流石に疲れたのはあった
以前まで
楽しいけれど大変な日々
大変だけど刺激的な日々に魅了されて
そんな生活を手放すのが嫌で
然程、頑張ってなかったのでは?
彼女のタメだと言いつつ
自分のタメだったのでは?
そう気づいた
544 : 幽戸 ◆Ttgou0pFR. :2006/04/09(日) 11:33:09
最初のスレッドを立てた時
怖い以外の思いは無くて
何も考えず、ただ助けを求めた
それが
多くの人達に迷惑をかけて
助けられて、今に至ってる
だからせめて
かけた迷惑の分、頑張ろうと思って
年老いたぽんこつスクーターを走らせた
545 : 幽戸 ◆Ttgou0pFR. :2006/04/09(日) 11:40:55
途中、わからない土地に差し掛かった時は
コンビニを探し、地図を見て
本当に色んなトコに行った
そして
一昨日、みんなが言ってた通り
俺には全く馴染みが無いと思っていたけど
花屋に入った
そこでふと、彼女の様子がおかしい事に気づく
546 : 幽戸 ◆Ttgou0pFR. :2006/04/09(日) 11:50:04
ぼー・・・っと、呆けている彼女を目に止め
携帯を取り出し、耳に当てると
彼女の方へ振り返り、問いかけた
俺「・・・どうした?」
縁「・・・・」
返答は無し
しばらく置いて、不自然じゃないように
彼女の前で自分の頭をかいて、気を引いてみた
俺「思い出したか?」
ゆっくりと、キレの悪い動きで首を横に振る縁
その後、数十分粘って見たが進展は無し
流石に居心地が悪くなり
適当な植物のタネを購入して
そそくさと店を後にした
また次の場所へ向かう
547 : 幽戸 ◆Ttgou0pFR. :2006/04/09(日) 12:04:21
腕の時計は、午後3時を回り
当初見当をつけていた場所や有名所などは潰れて行った
結局変化があったのは、昼過ぎに訪れた花屋の一件のみで
他は全くダメだった
適当な飲食店(うどん屋)で食事を取り
くつろげるスペース(公園のあずまや等)では
俺「疲れた?」
縁「ぶんぶん」
俺「鈍いもんな」
縁『ゆうとよりまし』
とか、適当な会話をして
徐々に日も沈んでいった
548 : 幽戸 ◆Ttgou0pFR. :2006/04/09(日) 12:15:44
あらかじめ行こうとしていた場所や、ここ行ってみるか
と思った場所も完全に空振りし、場所によっては彼女が見えないと言う状態
あとは片っ端から行ってみるしか無い
そう考え、ひたすら色んな場所に行ってみた
午後5時50分くらいだったか
大きめの病院に入った
然程期待はせず、他の場所と同じように
5分くらいして何も無ければ帰るつもりだった
彼女の様子を横目で見ながら
位置としては窓口の近くまで歩んで行った時に
彼女が一瞬、本当に一瞬だけ実態を持ったように見えた
549 : 幽戸 ◆Ttgou0pFR. :2006/04/09(日) 12:24:53
思わず驚いて相手を見ると
花屋の時と同じようにボー・・・っと、呆けていた
幸い入り口の部分だったので携帯を取り出し
しばらく、彼女の様子を伺っていた
1、2分ほど
呆けたままだった彼女の目から涙が出始めた
一瞬「これって水分なのかな」とか余計な事を考えたが
それくらい動揺してたんだと思う
彼女は、そのまま俯いて、何かを確認するかのように首を縦に振っていた
550 : 幽戸 ◆Ttgou0pFR. :2006/04/09(日) 12:36:00
その様子を見て、何も言わなかった
来るべき時が来たんだな、と
手に持っていた携帯をポケットにしまい
「帰るか」とだけつぶやくと
彼女はゆっくり頷いた
家へ戻った頃には
8時を回っていた
気分が重く
嬉しい事のはずなのに
俺は素直に喜べず、床の上に座った
俺「・・・話せるか?」
縁「・・・うん」
幾度か、聞いた事のあるあの声が
今度はハッキリと耳に届いてきた
552 : 幽戸 ◆Ttgou0pFR. :2006/04/09(日) 12:56:28
普段なら彼女は消えている時間
でも、今日はいた
全てを取り戻したであろう彼女が、自らの声で
俺「記憶が、戻ったのか」
縁「うん・・・生前だけ」
腕を組み、俯くと、それを合図にゆっくりと話し出した
極々普通に暮らしてきた彼女が
ある日の夜中、突然血を吐いた事
医師から大丈夫、助かるよ。と言われ徐々に痩せ衰えて行く身体の事
みんなが成人式に行った時、病室から外の景色を見ていた事
最後まで自分の病気がわからず
気がつけば現状況にあった事
俺はすぐにネットで吐血に関して調べた
ただ、病気の事はさっぱりわからなかった
553 : 幽戸 ◆Ttgou0pFR. :2006/04/09(日) 13:08:51
俺「・・・心残りは?」
縁「・・・沢山」
思わず息を大きく吐きだす
そりゃあそうだよな。そう思うと同時に「でも」と続けた
縁「でも、二度と無いと思った楽しい時間が
こんな形で迎えられたから・・・もう、大丈夫」
俺「・・・そか」
つっかえが取れたように、お互い揃って
大きく息を吐き出した
俺「俺の裸踊りも見れたしな」
縁「それは見たくなかったかな・・・」
554 : 幽戸 ◆Ttgou0pFR. :2006/04/09(日) 13:19:15
夜通し、過去の話や
バカな話で盛り上がり
時間はすぐに過ぎて行く
武田には連絡を取った
親父さんに話したら、知り合いの坊さんに浄霊をお願いしたらしい
2:00に、行きます
558 : 幽戸 ◆Ttgou0pFR. :2006/04/09(日) 13:25:57
行きたくない
と言うのが本心
でも、ダメなんだよな
559 : 暇人 ◆hBCBOVKVEc :2006/04/09(日) 13:28:07
駄目でしょうな…。行かないと。
それが縁のためだと思いますよ。たぶん。
560 : たっち ◆fH9c2GRVvI :2006/04/09(日) 13:29:01
>>幽戸
自ら決めたのなら、それが最良の選択だと思って進んでいけ。
561 : ◆RZRbVhQ5Qg :2006/04/09(日) 13:29:51
最後まで見守ります
GO!
562 : 生ゆか ◆Aosil.Vi1E :2006/04/09(日) 13:30:03
幽戸タソ>
それが幽戸が出来るゆかりんへの最後の仕事。
きばっていってら
563 : ミカ ◆2.aOzRrWSg :2006/04/09(日) 13:30:55
見守ることしか出来ないけどがんばって。
567 : ボーカル :2006/04/09(日) 13:38:00
幽戸さん、笑顔で送ってあげようね。
友達と成人式に行けなかったゆかりが同い年のあなたと出会ったのは運命だよ。
幸せな時間を過ごせて…本当に良かった。
568 : 幽戸 ◆Ttgou0pFR. :2006/04/09(日) 13:41:08
みんな、有難う
今音読してる
「『俺の後ろに何かいる』18/18」に続く
次の記事:
『俺の後ろに何かいる』18/18
前の記事:
『俺の後ろに何かいる』16/18