∧∧∧山にまつわる怖い話Part3∧∧∧
『蠢く山』
315:名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/26 23:26
ある晴れた日の早朝、村人が外に出てみると、山の景色が変わっていた。
形が幾分ずんぐりとしていて、色は黒く、全体がうねうねと蠢いているようにも見える。
村人が騒然とする中、猟師がのそりと歩み出て、空に向かい銃声を一発轟かせた。
すると、山から雲が湧くように、無数の黒い鳥が一斉に羽ばたき、何処へと飛び去った。
『坊主岩』
316:名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/26 23:27
山奥の里に、漁師と呼ばれている男がいた。早朝山へ登ると、夕方には魚を持ち帰ってくる。
里で持ち帰った魚を売るのだが、その中に海のものと思われる魚が混ざっている。
どの魚も採れたてのように新鮮なので、ある人が何処で釣っているのかと聞いた。
漁師は「坊主岩の下にある池で採るのだ」と答えたが、坊主岩という名を知る者はいなかった。
『伐採奇憚』
317:名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/26 23:28
ある男が木を切っている最中、切り口から白い手が伸びて、チェーンソーの刃を掴んだ。
思わず覗き込んだ刹那、男は縦に裂けた木の幹に胸を強打され、吹っ飛ばされてしまった。
気が付くと、全身ずぶ濡れで、家の縁側に横たわっていた。妻が心配そうに覗き込んでいる。
派手な水音がしたので表に出たところ、夫が池の中に倒れているのを見つけたらしい。
『石垣の上』
318:名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/26 23:29
ある日、少女は村の年寄りに、「中腹にある石垣より上に立ち入るな」と言われた。
少女に思い当たる節は無かったが、石垣には近づかないように心掛けていた。
ある晩、ふと目が覚めると、豪雨のさ中に、石垣の上で寝ている自分に気が付いた。
驚いて山を下ったが、すでに村は土石流に押し流され、助かったのは少女だけだった。
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