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『コケシ』

住職シリーズ。
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?128

187 :本当にあった怖い名無し:2006/05/04(木) 03:49:43 ID:8r/F/JVf0
信じるか信じないかは別として、知り合いに変わったやつがいる。
小学校時代からの友人で、現役の住職をやってるやつがいる。
私自身は霊感なんてこれっぽちも持ち合わせていないのだが、
こいつのせいで何回かありえない現象にあっている。
私は職業システムエンジニアで、そういったものはまったく信じてないし、ありえないし、
いるはずがないと日頃から公言している。
そういうのもあって、住職がやたら私にそういうものや話しをしてくる。

社会人になって間もない夏のある夜、住職から電話があった。
『よぉ俗世間の生活はどうだ?楽しいか?今から時間あるか?』
ちょっと酔っ払ったような軽く興奮したような、そんな早口の口調だった。
日頃は、年の割には達観したというか、落ち着いた口調の奴なんだが、めずらしい事もあるもんだと思って、
「まぁ明日休みだし、久しぶりに飲むか?」と答えたら、
『今からいく』
十分もしないうちに住職がやってきた。

「いやぁひさしぶり。何年ぶりだ?ん?」
そういいながら家にやってきた。
「あほか、こないだおうたとことこやろ。それよりなんか用か?」
「友達にあうのに用がいるのか?あははは」


188 :本当にあった怖い名無し:2006/05/04(木) 03:50:27 ID:8r/F/JVf0
酒をちびちび飲みながら、くだらない話をしてたんだが、なんか様子がおかしい。妙にうれしそうだ。
「お前、なんかあるやろ。そんなにうれしそうなんおかしいぞ」
「やっぱわかる?今日はちょっとおもしろいものもってきた」
「なんや?ビデオか?ゲームか?つまらんもんは嫌やで」
「ふふ、ジャーーん。いわくつきの御人形!」

そういって鞄の中から木箱だして、蓋をあけて見せた。

「うわ・・・いやがらせか?第一そんなもんどっからひろてきたん?」
「まぁきけ」

話しはこうだった。
住職の知り合いAさんから妙な相談を持ちかけられ、私の家に来る前にいってたそうだ。
妙な相談というのは、Aさんが東北で買った古い人形を見てくれ、というものだった。
Aさんいわく、
「人形を手に入れてから、家で子供の話し声や誰かがいる気配が常にするので、住職のお寺でお払いしてほしい」
そんな相談だったらしぃ。

「・・・で、この人形になんかあるん?」
「まぁそれは内緒。言ったら面白くないやん。
 これ見てみ。御人形さん、悲しいというか怒ってるというか、そういう顔してはるやろ」
「・・・確かに古臭いが、そんなんありへんよ。あほらしい」
「お前ならそういう思てね、もってきた。んで、今日はここに置いていく」
「・・・まじで?預かりもの置いていくなよ。何考えてるの?」
「まぁお前、日頃から全否定してるやん。それにこれ、昼間でないと・・・」
「はぁ?意味わからん。ふざけんな。もって帰れよ」
「それにこれは、Aさんとこ返されへんからな。ほなな、かえるわ」


189 :本当にあった怖い名無し:2006/05/04(木) 03:53:07 ID:8r/F/JVf0
本当に置いていった・・・
見たところ、ちょっと薄汚れてたが普通の日本人形だった。
少し酔ってたせいもあって気にも止めないで、人形を箱にほりこんで、箱をTVの上に置いて、
その日はぐーすか寝たんです。

しばらくして、喉が無性に渇いて目が覚めた。時計をぱっとみると03:30。
人形のことなんかすっかり忘れて、台所で水をごくごく飲んでたんです。
そしたら、服をちょいちょいと引っ張られて、ん?と思ってみたら、子供が私のよこっちょにいて、
「うちらもお水・・・」
「あぁ・・・はい」って、コップに水をいれてる最中に我に返りました。
びっくりして振り向くと、部屋中に何十人も子供がいてこっち見てたんです。

情けないことにそっから記憶がなく、朝、住職のインターホン連打で目が覚めました。
「もぉ休みの朝早くから、ちょっとは迷惑かんがえろよ」
「ん?なにいうてるん?もぉ昼過ぎてるぞ」
時計をみると、12時を過ぎてました。
住職が私の顔を見てニヤニヤしながら、
「昨日なんかあった?」
「なーんもあらせんよ。酔ってたしぐっすり寝てたわ」
「んーー・・・そうかぁ・・・まぁ人形どこ?」
「そこTVの上」

住職がTVの上においてある人形をひょいて持って、なんかブツブツ言い始めた後、数珠を人形にかけたんです。

「ほんまになんもなかった?」
内心、人形が箱から出てたのと、昨夜の子供の件でかなりびびりまくってましたが、
弱みをみせるのもしゃくなので、何もないと言いはねました。


190 :本当にあった怖い名無し:2006/05/04(木) 03:56:16 ID:8r/F/JVf0
「これね、たぶん、コケシなんよ。ようさん子供が憑いてる」
「・・・」
「こんだけ憑いてたら、ご供養してもあかんしな。これは焼かなあかん」
「・・・適当なこというなよ・・・」
「ほんまやで、ほれ」
住職が人形の着物はぎとったら、人形の腹から、何やら名前を書いた小さな紙がばらばらとでてきた。
それを見てその場で泣きそうになったけど、
その日のうちに住職の知らないお寺にいって、お払いしてきてもらいました。


192 :本当にあった怖い名無し:2006/05/04(木) 04:11:38 ID:lQhvxJXcO
乙!
その紙は一体何だったんだ…(゜д°)


194 :本当にあった怖い名無し:2006/05/04(木) 04:23:24 ID:8r/F/JVf0
当方関西なので、会話が関西弁で申し訳ないです。

細かいことはわかりませまんが、
「災害か飢饉の間引きかなんかじゃないか」と。
「数十人以上憑いてて、憑きすぎてどんどん呼び寄せるくらいの物だ」と。
「普通のしろものじゃない」とは言ってました。

まぁ私は今でも信じてませんけどね。


195 :本当にあった怖い名無し:2006/05/04(木) 04:42:53 ID:Q2ae8jTQ0
>192
コケシ(こけし)は”子消し”だから、
間引いた子供の名前を書いた紙を、人形の腹の中に入れていたんだろうな。
(-人-)合掌

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