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『裏S区』2/3

「『裏S区』1/3」の続き
死ぬ程洒落にならない怖い話をあつめてみない?160-1

774 :763:2007/03/14(水) 05:17:22 ID:Xss+iCNa0
以下会話(Aのおじさん=Bさん、Aのおばさん=Cさん、とする)

Bさん「本当に、殴ってしまってごめんな」
俺「いや、いいです。こちらも苛々してましたので、すみません」
親父「ん?お前なんかしたんか?」
俺「いや、俺がBさんを殴ってしまった」
Bさん「あ、いや、それは俺が○君を見ていきなりお経とか唱えたから、嫌な気がしたんやろ?
 ○君のせいじゃないわ。俺がいきなりすぎたんがいけんかったやから」
親父「申し訳ございません。それは聞いてなかったので」
俺「え?なんの話をしよん?俺がBさんを殴って、Bさんがいきなり」
ここまで言って、気絶前の事を思い出した。
俺「あれ??俺、気絶する前にナニカ見たわ・・・」
Bさん「うん、そやろな・・・。俺は○君みて直ぐに気づいてなぁ。何かおるって、それでお経を唱えたんよ」
母「大丈夫なんですか?何かって何ですか?」
Cさん「えっとね、私らが住んどる地域が、なんで裏S区って言われるか知っとる?」
親父「えっと、失礼かもしれませんが、差別的な意味ですよね?」
Bさん「それはそっちだけの認識やな。じいさん、ばあさんによう言われたやろ?裏Sには近寄るなて」
親父「言われましたね。でもそれは、部落差別的なもんやと思ってましたけど、違うんですか?」
Bさん「いや、そうや。
 そうなんやけど、差別があるけ言うても、今も言い続けよるんは、裏Sの歴史がちと異常なんや」
親父「いや、私も妻も生まれはS区やから、その辺は分かってますけど、
 部落とか集落系での差別って、どっこも同じようなものでしょ?
 だから、異常っていうのはわかります」
Bさん「はは。そうやろ?そういう風にとらわれてしまってるんやな。
 裏S区は部落やからって事でも、他国のモンの集まりでもなく、
 昔からこの地域に住んでたモンの集まりなんや」
親父「はい。ただ、違いが私にはちょっと・・・」
母「あれですか?あの鬼門がどうのとかって言う話ですか?」


775 :763:2007/03/14(水) 05:19:14 ID:Xss+iCNa0
Bさん「ん?鬼門の話か。まぁ、そんな感じなんやろうけど、裏Sにうちと同じ苗字が多いやろ?」
母「はい。多いですね。A君とことBさんの家は親戚やから当たり前やけど、それにしても多いですね。
 S区には全然いないのに、裏S出身者では結構みかけますしね」
Bさん「あの辺は、昔から霊の通り道って言われとんな。
 ナメ○○○(なんて言ったかは不明)とか、そんなの聞いたことないですか?」
親父「いや、名前はしらないですけど、聞いたことはあります」
Bさん「まぁ、その地域はそういう地域でして、うちらの家系はほとんどが霊感があるっていわれてたんですね。
 それが原因で発狂する奴もおれば、いきなり何するかわからんって感じで、
 いつの間にかそういう集落、部落になっていき、差別されるようになったんですわ。
母「でもそれやと、裏S区はかなり広いからおかしくないですか?
 Bさんとこの家系だけで、裏S区自体がそういう風にわかれますかね?」
Bさん「うん、わかれるんやろうな。
 最初は3、4の家のもんが発狂し始めて、それが村中で始まって、最終的に4、50件も起きれば、
 その周辺全体がおかしいって思われるやろうし。
 昭和の時代にそんなアホみたいな話を、信心深く聞く人間が少なくなってきてるしな」
親父「それでも、それで部落になるんかなぁ」
Cさん「まぁ、うちらの家系ではそう教わっとるんです。
 だから生まれてきた子らには、霊が見えるってことを前提に接しとる。
 見えん子もおるやろうけど、霊は居るって教えとるんですよ」
俺「いや、それと俺が体験しとるのと、Bさんの話と、何が関係するんですか?」


776 :763:2007/03/14(水) 05:20:53 ID:Xss+iCNa0
Bさん「○君。最近Aの様子がおかしくなかった?
 いきなり学校休んでるのは置いといて、それ以外に何かおかしいことなかった?」
俺「最近っていうか、わからん。急に殴りかかってきたりしてたけど」
Bさん「急にか、なんも言わんかったか?」
俺「いや、急に。意味わからんし。
 あ!そういうことか。Aが急に異常になったってこと?霊が見え初めて、発狂し始めたんっすか?」
Bさん「いや、Aはまともや。でも、何をすればいいかわからんかったよ」
俺「は?まともじゃないっすよ。あいついきなり殴り始めたし、しかも笑いながら。
 皆怖がって、俺を助けようともせんかったし」
Bさん「○君。殴られたときに、怪我するようなこと受けてないやろ?
 いや、殴る事自体は悪いことやから、庇ってるんじゃなくてな。
 うちの家系での霊を見つけたときの対応は、笑う事なんよ。
 やけん、異常者に見られることもあるけど、普通は無視してるんやけどな」
母「ってことは、○に霊がついてたって事ですか??」
Cさん「うん、今も憑いてる。それと○君。ベランダに誰か見える?」
俺「はい??なんですか?ベランダですか?」


777 :763:2007/03/14(水) 05:21:36 ID:Xss+iCNa0
ここで俺は、気絶するまえに見たモノとは別のものを見て、発狂しそうになった。
Cさん「大丈夫。絶対にココには入れんから」
親父「え?なにがですか?」
親父には見えてないし、もちろん母にも見えてない。
Bさん「あ、いえ。それでね、○君にはちょっと憑いてるんや」
俺「あ、あれか・・・飛び降りの奴見てしまったからか・・・」
Bさん「いや、ちがうよ。あれは多分たまたま。本当に偶然。
 でもその偶然がベランダの奴で、それ以外についちゃだめな奴が憑いとる」
俺「え?」
Bさん「うん、それがついちゃだめなんよ。
 厳密に言うと霊とかじゃなく、うちの家系では××××って言うんよ。
 それを言葉には出しちゃだめですよ。すぐ移るから」(両親を見て)
母「××××」(なんて言ったか忘れた。バラ??なんとかだったけど不明)
俺「!?」
母「これで私についたけん、○は大丈夫でしょうか?」
Bさん「いや、そういうもんでもないけど、本当にそれは言わないでください」
母「息子が困るのは一番いやですから」
Bさん「多分、それをするともっと困ります」
俺「もう、やめていいよ。っていうかなんなん?俺が霊に呪われてて、Aはそれみて俺をなぐってたん?
 でも、それはおかしいやろ。そんなんします?普通。
 っていうか、笑いながら殴ったらいいん?霊が追い払えるん?」(ちょっと困惑しててまくしたてた)
Cさん「ごめんね。そういう風にしか教えてなかったから、やったんやろうね」
Bさん「お払いするときにはな、絶対に笑いながら相手を追い出すんよ。
 こっちは余裕だ、お前ごときって感じで。
 んで、憑かれてる者を叩くと、憑いてるものが逃げ出すって感じなんよ。
 もちろんお経やったり、お呪いやったりが必要なんやけど、あいつは見様見真似でやってしまったんやろうな」
俺「でも、あいつ蹴ったりもしたし」
Bさん「うん、それは行き過ぎやな。でも、Aが学校休んでる理由は○君が怖いって。
 まぁ、○君に憑いてる者が怖いってことなんやけどな」


778 :763:2007/03/14(水) 05:23:20 ID:Xss+iCNa0
それから数分そういう話をした後に、Cさんが御祓いするための道具を駐車場に取りにいって、
Bさんが俺を守る形で周りを見張ってた。
その後、準備が整い御祓いが始まったけど、今まで見たどの御祓い方法よりも異常だった。
神社のような御祓いでもなく、お寺のようにお経を唱えながら木魚を叩いてるわけでも無い。
ただただ笑いながら、お経を読んでる感じ。
そのお経もお経という感じではなく、ブツブツブツブツを繰り返してて、小声でただ話してるような感じだった。
それから何度か手を叩かれたり、頭を払われたりした。
それが終了して、Bさんが「もう大丈夫」と俺に言い、Cさんが「もう見えないでしょ?」って言うので、
ベランダを恐る恐る見てみたが、何も無かった。

「『裏S区』3/3」に続く

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