怖い話まとめブログ ロゴ
※旧怖い話まとめブログ跡地
このブログについて  お問い合わせ  オカルトblogランキング  怖い話まとめブログ管理人のツイッター  B!

※この記事はhttp://nazolog.com/blog-entry-6051.htmlに移転しました。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


次の記事:『病院に行ってきた』
前の記事:『何でもないただの国道』
[ --/--/-- ] スポンサー広告 | この記事をツイートする | B!

『化け物たちの楽園』


ほんのりと怖い話スレ その89

956 :本当にあった怖い名無し:2012/12/03(月) 23:13:27.70 ID:PkBPiFas0
ちょっと化け物たちの楽園の話になってしまうんだけど。

俺はいわゆる腐女子が好きな、要はアレな恋愛嗜好の持ち主なんだけど、
昔よく週末になると新宿二丁目に飲みに行っていた頃の話。

先に書いておくけど、オネエとか言われる人種は『二丁目に捨てる者なし』と言われるくらい、
ガリやデブ、イケメンやブサイク、善良や性悪、棺桶に片足突っ込んだ老人や今となっては犯罪レベルの低年齢まで、
どんな人間でも必ず一人は好いてくるのがいるという不思議な土地で、
冗談抜きで『タイプだったら幽霊でもいいわぁ』とか言う人間の集まりという感じで、
少々の心霊現象には動じない連中ばかりなんだ。


958 :本当にあった怖い名無し:2012/12/03(月) 23:21:53.33 ID:PkBPiFas0
ある時、そんな新宿二丁目で『あの店は行かない方がいい』という話を聞いた。
そんなのは日常茶飯事なので、
どうせまた言い出した奴にとって店員が気に食わないとか、どこそこ関係の人間が出した店だとか、
そういった話なのかと思って、
いつものように「今度はどうしたの?」って聞くと、「…出るのよ」としか言わなかった。
で、他の集まってた子たちに「行って見てみようか?」と聞くと、
どうも全員すでに見ていて、「二度と見たくない」と言い出した。


959 :本当にあった怖い名無し:2012/12/03(月) 23:28:38.67 ID:PkBPiFas0
この時点で、目の前で飛び降り自殺を見ようが、
誰も出入りしないでドア付近に誰もいないのに勝手にドアが開こうが
真っ黒い顔付近を覗いても一切顔が見えない変な人が来て酒を飲もうが、
マツコやミッツやIKKOを見ても動じもしない連中なのに変だと思ったので、
そこまで行きたがらない店というのも珍しいから一人で行ってみようと思った。

その店は同じビルに有名な店も入っていて立地は悪くないのに、
同じ階の別の店とは違って、ドアからすでに辛気臭さが滲んでいた。


960 :本当にあった怖い名無し:2012/12/03(月) 23:32:44.32 ID:PkBPiFas0
ドアを開けてまずビックリした。
何故なら部屋の片隅、天井と三角になっている部分に、
髪を長く垂らした目の下にクマのようなメイクを施した、
青白い顔のヴィジュアル系のマネキンのような物が置いてあったからだ。
中の店員は俺がドアを開けたのを見て、
ドアの外以上の辛気臭さで「いらっしゃい…」と消え入るように言った。
その店員は何でも2,3日前に急に雇われたらしく、店長(二丁目で言うところのママ)はずっと休んでいるらしい。


961 :本当にあった怖い名無し:2012/12/03(月) 23:36:51.62 ID:PkBPiFas0
席に腰掛け、部屋の片隅を気にしながらも、他愛も無い話題を続けて店員の機嫌を取った。
彼はいわゆるその手の店員経験があったようで、独りで店を回すのも慣れていたようだった。


962 :本当にあった怖い名無し:2012/12/03(月) 23:42:09.90 ID:PkBPiFas0
店員も機嫌よく明るく話すようになってきたので、本題を振ってみた。
「ところで、あの天井の隅に飾ってあるマネキンって何?噂の幽霊避け?」
ところが答えは思ったよりキツかった。
「いや…、あれがそうなんです…」
ここまで読んでいた人は当然そうだと思ったかもしれないが、
実際に見た感想は、あまりにハッキリと見えすぎていて、しかも生気を感じない作り物のようだったので、
本当にマネキンだと思っていた。
でも幽霊なんだし、生気なんか感じなくて当然な訳だ。


963 :本当にあった怖い名無し:2012/12/03(月) 23:51:24.86 ID:PkBPiFas0
飾りの作り物でも悪趣味だと思ったけど、あれが幽霊だと言われれば確かに酒を飲んでもいい気分にはならない。
何と言うか、それ以前によくあった『生前の習慣を何となく死んでも続けている』という可愛げのようなものが全く無く、
ただ蜘蛛のように天井の隅に張り付いてこっちを見ていた。
ここで一応作り物かどうかを確認する為に、店のホウキの柄で突いてみた。
なるほど、確かに本物の幽霊らしく、ハッキリ見えているのに感触が全く無かった。
そこで店員に店を閉める予定が無いのか聞いたら、
何でも契約期間が残っていたらしく、どうせ金を払ったならという事で営業していたらしい。
こういう金に汚い所はオネエらしいというか、
店員を雇ったりとかするのを考えたら損をする事に気付かない抜けた所もオネエらしいというか。


966 :本当にあった怖い名無し:2012/12/04(火) 00:02:42.85 ID:KuEKLwNE0
そこでとりあえず幽霊には塩という事で、塩を貰ってぶっ掛けた。
結果は、落ちてきた塩を自分が顔から被って痛い思いをしただけ。天に唾を吐くってこういう事かと思った。

そんな事をしているうちに遅い時間になったので、
店員に「噂も広まって客も来ないだろうし、店を閉めたら?」と促してみた。
店員も同じように思ったようで、「そうですね、もう辞めようかと思いました」と言って、
何となく流れで一緒に別の店に飲みに行く事に。

その後は、ずっと閉店状態となった後に、契約が切れたからか看板も外れていた。
もちろん新規の店が入るのは俺が行っていた頃には見ていない。
あのテナントビルはもちろん今でもあるだろうけど、店は入ったのだろうか?
特に曰くとか何も聞いていなかったのに、あんな幽霊が居つくのは不思議なものだ。

これで話は終わり。
ノンケはどの店か探そうとか思わない事。別の意味で怖い思いをする事になるから。

次の記事:『病院に行ってきた』
前の記事:『何でもないただの国道』
[ 2012/12/12 ] ほんのりと怖い話 | この記事をツイートする | B!


copyright © 2025 怖い話まとめブログ all rights reserved.
/ プライバシーポリシー