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『首狩りの少女』2/2

「『首狩りの少女』1/2」の続き
原著作者「怖い話投稿:ホラーテラー」「山下の息子さん」 2011/03/06 02:01

翌日。私が学校に行くと、馬川くんは既に登校して教室にいた。
そして馬川くんは、
「お前に話がある。後で屋上に行こう」と私を誘った。
昼休み、私たちは2人で学校の屋上に行き、隅っこのフェンスにもたれかかって地面に座った。
周りに誰もいないのを確認すると、馬川くんが口を開いた。
「お前が前に話していた首狩りの少女だけど、その話なんだ」
馬川くんは真剣な顔でそう話しだした。
その後の彼の話をまとめると、だいたいこのような話であった。

馬川くんが私と別の小学校で、小学4年生であったある日。
彼が自宅の風呂で自分のイチモツを洗っていると、
彼はイチモツのいわゆる『カリ』の部分に、少し切れ目というか、裂け目というか、直径4cmばかりの傷があるのに気づいた。
彼のイチモツは当時、既に大人顔負けの大きさまで急成長していたので、
馬川くんは急成長にともなってイチモツが裂けたのかと心配になった。
しかし触っても痛みは全くない。
不思議だなと思って彼がその『カリ』の傷を触っていると、
その傷口は突如として、まるで金魚の口のようにパクパクと開閉して動き出した。
「うわああ、なんだこれ?」
馬川くんが驚くと、突如としてその口は、
「お前を殺す」
「お前を殺す」
と、低い女の声で話しだしたという。
彼は驚いて飛び上がり、無意識にその場から逃げようとしたが、
声は彼のイチモツから聞こえてくるので逃げても無駄であった。
イチモツは変わらず、
「お前を殺す」
「お前を殺す」
と言っている。
馬川くんがパニックになり、イチモツにシャワーの水をかけて反撃すると、
イチモツはシャワーの水で話しづらそうになりながらも、
「おま、えをころす」
「おまぁ、え、をころ、す」
としつこいのだと言う。
そして、彼が恐怖でついにその場で泣き出してしまうと、イチモツは急に優しくなり、
「ごめんごめーん。冗談。冗談だから。泣かないでー」と、優しい女の声で話しだした。
イチモツの説明によると、その『口』はある女子高生の霊が、馬川くんのイチモツに憑依したことでできたのだと言う。
女子高生は生前、病弱な人であったが、非常に仲がいい彼氏がいた。
やがて女子高生は大きな病気を患ったが、彼氏と会うのを励みに闘病を続けた。
しかし闘病虚しく、ついに女子高生は力尽きて亡くなったと言う。
彼氏に未練の残った女子高生は幽霊となって彼氏に会いに来たが、そこで彼氏の浮気を知ってしまった。
彼氏は女子高生の親友と付き合っていたのだ。
彼氏は女子高生と親友の両者を騙しながら、二股をしていたのであった。
女子高生は幽霊として彼氏に仕返しをしようと考えたが、しかしその彼氏は交通事故ですぐに死んでしまった。
恨む相手はいなくなったが、女子高生の怒りはまだ収まらない。
そして女子高生は、浮気をするような生き物として、男全体へと怒りの矛先を向けたのだと言う。
女子高生は男に憑依して嫌がらせをすることに決め、幽霊として繁華街をうろついて憑依するターゲットの男を物色した。
そこへ偶然、大変な巨根の小学生、馬川くんが現れた。
これは面白そうだということで、女子高生は馬川くんへの憑依を即断したと言う。
どうせ憑依するなら男が一番嫌がりそうなところにしよう、ということで、
憑依する体の場所は、イチモツにすることにしたという。
そうして馬川くんと女子高生の霊との生活が始まった。
馬川くんはそれを嫌がって、霊に何度も成仏してくれるよう頼んだ。
しかしその度、女子高生の霊は「まだ嫌がらせし足りない」ということで、成仏を拒否したのだという。
何とか馬川くんが学校に行っている間は、
周りの友達に憑依がばれないよう、女子高生の霊は一切声を出さないことに同意してくれたものの、
学校から帰って彼が自分の部屋に入ると、必ず女子高生の霊はお喋りを始めて、非常にうるさいのだという。
歯茎ババアの時も黙っている約束であったのに霊は話し始め、馬川くんは大変にパニックになったという。
そもそも、あまり好色でない馬川くんが、金平くんの夜鷹さんの嘘話になぜ乗ったのかと言えば、
馬川くんは童貞を卒業すれば、女子高生の霊が成仏するような、そんな気がしたからだと言う。
女子高生の霊は否定し、その童貞卒業計画をやめるように言ってきたが、
彼女は成仏する気がないのだから嘘を言っているかも知れず、試してみないと分からない。
だから童貞を卒業しようとしたのだと言う。

そして首狩りの少女の話。
彼が小学校4年生で女子高生に憑依されて間もなくの時、彼はそのことに悩んで、当時の友人に相談した。
しかし、いきなり憑依されたという話をするのは変なので、
あくまで彼はイチモツのカリ、カリ首にできた裂け目みたいな症状の話として、友人に相談した。
「俺のカリ首のところに変な症状がでてきて……」
馬川くんがそう話すと、友人はまだ小学生のため、そもそも『カリ首』がなんだか分かっていなかったらしく、
「えっ!お前、その首狩りの女と付き合ってるの?」と、意味不明なことを言い出した。
カリ首を首狩りと勘違いしただけでなく、『症状』も『少女』と聞き間違えたらしい。
そしてそこに別の女子のクラスメイトが近づいてきて、
女子「えー?なになにー?」
男子A「なんかさー、こいつ首狩り族の女と付き合ってるんだってー」
女子「えー!馬川くん、女の人と付き合ってるのー!やらしいんだー!」
男子B「えー!!馬川、女と付き合ってるのかよっ!!」
全員(馬川除く)「せーんせーに言ってやろっ!!せーんせーに言っやろっ!!」
みたいな小学生特有の不思議な展開をして、話がおかしくなったのだと言う。
その後、馬川くんが必死に否定したことで、彼が女と付き合っているという根も葉もない話は取り消すことができた。
しかしその首狩り族の女の話は、どういう訳かその後も話だけが一人歩きし、人々の様々なアレンジを経て、
やがてそれは『首狩りの少女』という怪談話となって、別の小学校である私の学校まで伝わったのであった。

そうしてその作り話の首狩りの少女に、私が初恋として恋をしたのであった。
首狩りの少女という、突如として男の首を狩る少女とは形態が異なる、カリ首の少女。
しかし彼女はある意味で、私の初恋の相手と言えなくもなかった。
私が思い、恋焦がれていた少女が、話の中で首狩りに変化したのだから。
私は何年も恋焦がれた、その初恋の相手と話をしてみたくなった。
それに馬川くんの話では、歯茎ババアと対峙した時の、少女の当時のコギャル的な言葉遣い、
これはババア相手だからそのように汚い言葉遣いになっただけで、
普段の少女は普通の話し方をする、普通の娘だという話であった。

自分も馬川くんのように少女と話をしてみたい。
私の思いは日に日に募り、私は馬川くんにお願いして、ある日、一緒に男子トイレに来てもらった。
男子トイレの洋式トイレの個室に馬川くんと2人で入った私は、馬川くんにお願いし、彼にブリーフ姿になってもらった。
その方が少女と会話がし易いからだ。
事前に少女には、学校内でありながら私との会話では言葉を自由に発していいと、
馬川くんから許可を出しておいてもらった。
馬川くんに洋式便所の便座の上に仁王立ちしてもらい、私は少女と話をすべく立膝をついた。
そして少女が私の声を聞き取りやすいよう、私は馬川くんの股間に顔を近づけ、彼の股間に話しかけた。
「こんにちは。お話しできますか」
私は少女にまず何を話すべきか分からなかったので、とりあえずそのように挨拶した。
私は馬川くんの股間に耳を傾け、少女の返事を待った。
しかし幾ら待っても少女からの返事はない。
聞こえなかったのかな、私はそう思って、今度は馬川くんの股間にさらに顔を近づけ、より大きな声で話してみた。
「こんにちは!この間は大変でしたねえ!」
私はそう言うと、また彼の股間に耳を傾けた。
しかしやはり、少女からの返事はないのであった。
「彼女、少しシャイなところあるからなあ」
馬川くんは少女の気持ちをそのように解説した。
私は初恋の女性に相手にされなかったと、悲しい気持ちになって、少し涙ぐんだ。

その後も何度か少女との会話にトライした私であったが、少女が返事をしてくれることはなかった。

そしてある日の休み時間、意外なことがあった。
「よお、お前に会わせたい人がいるんだ」
そう言って、馬川くんは私を廊下に呼び出した。
廊下には何度か見たことのある後輩のかわいい女の子がいた。
私も登下校中に何度か見かけては、少しいいなと思っていた娘だ。
「俺と付き合うことになったんだ、バレー部の後輩の子で」
後輩の女の子は馬川くんの紹介を受け、ペコリと頭を下げて私に挨拶した。
バレーボール部で活躍していた運動神経の良い馬川くんに、同じバレー部の彼女の方からアタックしたという。
「おお、いいなあ。やったなあ、馬川」
などと言って彼の肩を叩いた私であったが、内心くやしかった。
夜鷹さんの話が嘘で童貞を卒業しそびれた私たちであったが、馬川くんは近いうちに童貞を卒業するのだろうか。
私だけが置いて行かれて、いつまでも童貞のままになるのだろうか。
私はその時、そんな風に考えてしまった。

それから数日して、私が朝、登校すると、馬川くんが非常に嬉しそうにニコニコしていた。
なんだ、ついに童貞を捨てやがったかと思ったが、そうではなかった。
「やった!あの娘がいなくなったよ!」
馬川くんはそう言って喜んでいた。
この前できたばかりの彼女と、もう別れたのかと思ったが違った。
彼のイチモツの少女、カリ首の少女がいなくなったのであった。
「昨日風呂入ってたからさー、口が無いのに気づいて。いつの間にかいなくなってたんだよねー、あいつ」
馬川くんはそう言って小躍りしていた。
それはまあ、彼女ができたのだから、イチモツに口がついていたら邪魔だろう。
しかし、小学生の時から何年も同じ時を過ごしてきた女性が突如いなくなって、素直に喜ぶものだろうか。
私は少し彼の考え方に違和感を持った。
そして私が考えるに、きっとカリ首の少女は、馬川くんに彼女ができたことで、
邪魔をしちゃいけないと、身を引くようにいなくなったのではないだろうか。
そんなカリ首の少女の気持ちを考え、私はせつない気持ちになった。
そしてその話を聞いたとき、私はもう少女とは会えなくなり、私の初恋が終わったことに気づいたのであった。

カリ首の少女は彼のもとを去って、どこへ行ったのか。
成仏したのか、それとも他の人のところへ憑依したのか。
私は少女が私のイチモツに憑依してくれないかと密かに期待しだした。
初恋の人との言わば同棲生活。
私は馬川くんのように少女を裏切ったりはしないだろう。
そのように考えて、私は風呂に入るたび念入りにイチモツをチェックしたのだが、
私の息子に裂け目みたいな口ができる気配はなかったのであった。


それから20年近い月日が経った。
あの時は若かった私も、童貞のまま30代を迎え中年となった。
あの日から風呂のたびチェックしていたのだが、結局、私のイチモツに口ができることがないまま月日が過ぎていた。
しかし最近になり、奇妙なことが起きた。

冬の日。
私がいつものように風呂でイチモツをチェックしていると、馬川くんの話と同じような場所に裂け目を見つけた。
私が驚いていると、その裂け目はやはり金魚の口のようにパクパクと動きだした。
ついに少女が、初恋の少女が帰ってくる、私の心は躍った。
そしてイチモツは念願の言葉を発した。
「うわ、成功か?夢、叶ったわ」
それは野太い男の声であった。
「いやー、夢叶った。お兄さん、よろしゅう頼みます」
誰だ?男?私はイチモツに聞いてみた。
「あのー。どちら様ですか?」
イチモツが答える。
「ワシはワシや。誰でもない。前々からチンポになりたい思ってたんや」
それは初恋の少女ではなく、どこかのホモのおっさんであった。
「困りますよ。他を当たってください。チンコにオッサンが憑いてたら、女の子も嫌がります」
私は少し見栄をはって、そう言い放った。
「困ることあるかい。だいたいお前、こんな汚い部屋住んで、女なんかおらへんやろ」
イチモツには目が無いのだが、
前に馬川くんに聞いた話では、霊たちはちょうど霊視のような形で、周囲のものを見ることができるのだと言う。
だからおっさんも私の部屋の様子が分かったのであった。
「今はいなくても、これから彼女ができるかも知れないでしょう!その時に困るんです!」
私がそう反論すると、
「お前、見た感じ30代やけど、雰囲気から察するに童貞やろ?
 今まで30年以上女がおらへんかったのに、これから急に女ができることあるか、ボケェ」
私はおっさんにそう言われ、言いくるめられてしまった。
私は何とかおっさんを追いだそうと思案し、ある作戦を考えた。
「私よりもいい男がいるんで紹介します。それに乗り換えてはどうですか」
おっさんはこれには考える余地があったようで、「じゃあ今すぐその男を紹介しろ」と言い出した。
私は風呂を出て、既に夜9時を回っていたにもかかわらず、冬の寒さの中、外に出かけたのであった。

私は外を20分ほど歩き、ある家の前に来た。
比較的新しい、立派な作りの家だ。
この家には30代の主人と奥さんが2人で住んでいる。
その主人とは、あの馬川くんであった。
馬川くんはその後、結構な出世街道を歩み、都心のこの場所で、30代にして立派な一軒家を建てたのであった。
馬川くんの奥さんは、あの時の中学の後輩。
若かりし頃の恋愛を成就させ、新築の家も建てての、幸せな結婚生活。
童貞街道を歩み、ワープアで生活に苦しんでいる私とは対照的だ。
「この家です。馬川くんと言います。見えますか?」
私が腰をかがめて自分のイチモツに話しかけることで、おっさんに話しかけると、
「なかなか、ええ男やな。それに立派なモノを持っとる。よし、ええで。こいつに移ったる」
と、おっさんは馬川くんへの憑依に同意してくれた。
「それじゃあ、さっそく移りましょうか。お願いしていいですか」
私はおっさんの気が変わらないように、おっさんに早速の移動を促したが、おっさんに断られた。
「ダメや。今は取込み中や」
「取込み中?」
「奥さんと仲良うしとるところや、邪魔するわけにはいかん」
馬川くんは奥さんとベッドで仲良くしてる最中なのであった。
「仕方ない。待ちましょう」
私はそう言って、馬川くんと奥さんの仲良しが終わるまで待つことにした。

しかし、10分、20分、30分経っても、おっさんからの終了の報告はない。
「まだですか?彼らはまだやってるんですか?」
「まだや。今一番盛り上がっとるとこや」
真冬の極寒の中、私は風呂上りに30分もじっと立ち尽くしたので、体の冷え込みが限界にきていた。
温かい家の中で、愛する奥さんと仲良くしてる馬川くんと、極寒の中で外に立って、自分のイチモツに話しかけている私。
私は自分がミジメでミジメでならなかった。
先程まで私は、おっさんを馬川くんに移すのは馬川くんに悪いかな、と少しだけ思っていたのだが、
その気持ちは完全に消え失せた。
「寒いか?」
おっさんが寒さで震える私を気遣い、声をかけてくれた。
「さすがに寒いですね。限界です」
私がそう言うと、
「そうか、まだ途中やけど、しゃあないな、もう移るか」
おっさんはそう言って、クッ、と何か力を込めた。
そして、「ほなな。ええ男紹介してくれてありがとう」と、私に最後の挨拶をした。
私は「短い間でしたけれど、楽しかったです」と言葉を返した。
その会話のすぐ後、おっさんが移転する影響だろうか、私のイチモツが突如としてまばゆい光を放ちだした。
私はズボンの隙間から漏れる光を必死に押さえ、近所の人に気づかれないように苦慮した。
やがて20秒もすると光はなくなり、私がチェックのため自分のイチモツを触ってみると、イチモツの口も無くなっていた。
おっさんは無事に馬川くんに憑依できたのだろうか。
私はそれが気になり、その後もその場に留まった。
すると突然、
「奥さん、お取り込み中、すんまへん!馬川くん、これからよろしゅう頼みます!」
おっさんの大きな声が聞こえた。
おっさんは外の私にも憑依の成功が伝わるよう、あえて大きな声を出したようだ。
私が安心し、その場を立ち去ると、
「キャーーー!!!!」
後ろから奥さんの悲鳴が聞こえた。
私はニヤニヤと笑い、イチモツを掻きながらその場をあとにした。

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[ 2012/06/20 ] ホラーテラー | この記事をツイートする | B!


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