◇ 心霊ちょっといい話VER.15 ◇
892 :本当にあった怖い名無し:2010/04/25(日) 10:43:05 ID:IhBiVGU5O
高校生の時に婆ちゃんが亡くなり、形見で市松人形を頂いた。
かなり古いが可愛い顔で、良い品だと見て取れるような市松さん。
『華ちゃん』と名前を付けて、髪飾り作って付けてあげたり、まあ可愛がってた。
大学進学で一人暮らしになる時、華ちゃんも連れてきた。
そのうちサークルの友達や先輩を部屋に上げるようになったが、ふと気付くと、時折華ちゃんがマジギレしていた。
他人にはわからないらしいが、目をつり上げ眉間に皺を寄せた顔はまさにマジギレ。
暫くして、ある特定の先輩が来た時のみマジギレしてる、と気付いた。
893 :本当にあった怖い名無し:2010/04/25(日) 10:44:36 ID:IhBiVGU5O
その頃、部屋から細々したものがたまに紛失していた。必ずサークル内の人が複数で来た後に。
波風立てたくないし、無くなってもすぐ困るものでもなかったから、ずっと黙っていたのだが、
まさか…と思ってA先輩に(華ちゃんの事は言わず、ただ物がなくなる事だけ)相談すると、
A先輩が華ちゃんがキレた先輩を問詰めてくれた。
結果的に、私は華ちゃんがキレた先輩から惚れられてたらしい。
把握してた紛失物は、ヘアピン、髪ゴム、小さなマスコット等だったが、
A先輩の家捜しにより、箸、リップクリーム、下着、というダメージ大きい物も発見。
窃盗で警察行く前に相手の親が出てきて、示談金と相手の退学、『今後一切関わらない』の念書で済ませた。
この時は、気付かせてくれた華ちゃんに凄く感謝した。
A先輩や友達からは「下着無くなってんの気付けよ!」と総ツッコミを頂いた。
894 :本当にあった怖い名無し:2010/04/25(日) 10:48:01 ID:IhBiVGU5O
その後、A先輩が部屋に来ると、華ちゃん超えびす顔。
もう今にも『よく来たな、ゆっくりしていけ!』とか言いそうなえびす顔。
マジギレ顔と違い、これについてはA先輩も「なんか華ちゃん笑ってない?」とか言ってた。
A先輩とはなんだかんだで付き合う事になり、そのまま結婚した。
婆ちゃんの霊が華ちゃんに…?とも一時期思ってたが、やっぱり華ちゃんは『華ちゃん』という人格(?)だと今は思う。
何年かしたら、今まだお腹の中の娘の御守りになってもらう予定です。
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