◇ 心霊ちょっといい話VER.15 ◇
446 :本当にあった怖い名無し:2009/12/19(土) 01:18:55 ID:2OIUZOcF0
俺がまだ小学校低学年ぐらいのガキの頃の話なんだが、俺の家は当時、夏になると田舎に帰ってたんだよね。
そういうときに必ず泊まる小さな民宿があるんだ。
格部屋の入り口はドアじゃなくて襖で、宿の玄関もすりガラスの引き戸。
経営してんのもお爺さんとお婆さんっていう、完全に昔ながらの民宿って感じの所でさ。
昔からずっと来てるから、ここに来ると親は宿の人に必ず挨拶と世間話するんだわ。
俺はその時、暇だからって民宿の中を探検しだしたのね。
で、俺は二階の部屋から順々に見て回って、残すところは1階の突き当たりにある部屋だけだったんだ。
ここで最後かー・・・(´・ω・`)みたいな感じで少し残念がりながら襖を開けると、なんと中には白無垢の花嫁さん。
俺は中に誰かいるとか思ってなくて、軽くパニクって泣きそうになって、
「あぅあぅあぁ、ごご、ごべんなざいぃ・・・」見たいな感じのこと言ってたと思うw
そしたら向こう向いてた花嫁さんがこっちに向き直ってニコって微笑んでさ、家族がいる方向を指差して、
「あんまり離れてると心配されちゃうよ?」「早くお母さんの所へ戻ってあげなさい?」みたいな事を言われたと思う。
この時の花嫁さんの笑顔がすげー綺麗でさ、それがすげー印象に残ってる。
447 :本当にあった怖い名無し:2009/12/19(土) 01:20:17 ID:2OIUZOcF0
気まずい恥ずかしい怒られるってすくみ上がってた俺は、また小さな声で謝ると同時にその方向へ走って戻った。
んで、民宿の人と話している家族のとこに着いて、母さんに「きれいな花嫁さんがいた!」って言うと、
民宿の人は訝しげに「まだ○○さん以外にはいらっしゃっていないんですけどねぇ」とか言い出して、俺はまた軽くパニックw
まぁつまり、そんな花嫁さんは存在しなかったのです。みたいな。
あとで聞いた話によると、その部屋は何十年も使われていない、いわゆる開かずの間だったらしい。
結局そのあと何かあったわけでもないし、まつわる話とか聞けたわけでもない。
たださ、あの花嫁さんはもう成仏したのかなーとか、結婚できなかったからまだあそこにいたのかなーとか、
ちょっとだけ考えてしまったっていう、ただそれだけの話。
次の記事:
『バレンタインチョコ』
前の記事:
『お寺の敷地にある井戸』