原著作者「怖い話投稿:ホラーテラー」「匿名さん」 2012/03/11 12:42
幼馴染みのKくんはとても勘が良く、
まるで霊視を持っているかのように、過去・現在・未来の物事を当てることが出来ます。
私の両親が気味悪く思うほど、Kくんの勘はよく当たりました。
私は今は身長160センチですが、小学校低学年の頃は110センチもなく、背が低いことが悩みでした。
そんな私にKくんはこう言いました。
「大丈夫。Nちゃん(私)は、将来はNちゃんのお母さんと同じくらい背が高くなるよ」と。
私にはKくんの他にもう一人、Tくんという幼馴染みがいました。
Tくんはいつも背の低い私に対して、「チ~ビ、チビ」とからかっていました。
私はKくんに『将来はお母さんほど背が高くなる』と言われたことが嬉しくて、そのことをTくんに話しました。
するとTくんは「俺はNよりも、もっと高くなるぞ。俺は何センチになるんだろう」と言いました。
KくんとTくんは知り合いではなかったけど、
私はKくんにTくんの写真を見せて、「Tくんは将来は身長何センチになるかな?」と聞きました。
するとKくんは、「こいつは、130センチ位かなぁ」と言いました。
Tくんは今でも120センチをとっくに越えているし、大人になっても130センチだなんてあるわけない・・・と、
そのことはすっかり忘れていました。
その後、Tくんは神戸に引っ越しました。
数ヵ月も経たずして、阪神淡路大震災が起こりました。Tくんはこの地震で亡くなりました。
Tくんのお母さんに聞くと、Tくんの身長は130センチだったそうです。
死の意味なんて解らないけど、Tくんはもう大きくなれないんだと思うと涙が止まりませんでした。
あれから12年。私はTくんより30センチも背が高くなったよ。今はね、お母さんと同じ身長で160センチです。
私より大きくなったTくんに会いたかったな・・・
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