◇ 心霊ちょっといい話VER.12 ◇
297 :本当にあった怖い名無し:2007/08/31(金) 22:13:17 ID:D0Q3fZbu0
若干長いんだけど、もう見えなくなった彼女の心霊的な話。
中学の頃、DQNやってた。
身も心もすさんでて、周りは受験を意識していた中三の夏。
他校でやらかしてしまい、いろいろとお咎めを受けた。
俺の更生プログラムみたいなのが組まれて、その一環で市の図書館の掃除とかをまかせられた。
寂れた図書館で、もうあと少しでなくなる予定の図書館。
きりもりしてるのが市の職員(しかも嘱託)と数人のおばちゃん。
来てる人もほとんどいなくて本当に暇だった。
俺は学習室のテラスでサボってたばこ。
早くおわらねーかなー、なんて毎日考えてた。
298 :本当にあった怖い名無し:2007/08/31(金) 22:23:07 ID:D0Q3fZbu0
そこで知り合ったのが彼女。
「そこでたばこ吸うな」と説教を始めた彼女。
むかついて彼女の制服めがけてたばこを投げてしまい、制服がたばこで燃えてしまい穴が開いてしまった。
彼女は泣きながら家に帰ってしまった。
DQNながらもさすがにやりすぎたと思い、
職員に身元を聞き(図書カードのデータかなんかだと思う)、家に謝りに行った。
そんなわけで知り合いになった。
毎日図書館の管理する俺と、毎日そこに来る彼女って間柄のおかげで、冬には付き合いだした。
付き合いだして俺は更正して、高校に行くため勉強を教えてもらったりもした。
300 :本当にあった怖い名無し:2007/08/31(金) 22:32:41 ID:D0Q3fZbu0
俺はいわゆる霊を見る力ってのが若干あって、
そのせいか時折、彼女が薄く見えることがあった。
大丈夫なのか?・・・って心配だったんだが、それ以上に彼女という人間が不思議だった。
ちょくちょく家にお邪魔させてもらったんだが、
ツタとかからまってるような廃墟に近い家で、その集落一帯は空港の拡大に向けて立退きが決まってた。
さらに、彼女は何か病気だったらしく、大量の薬を服用していた。
色んな事情があったらしく、俺はあまり相手の事情に踏み込むことはしない。
別れは突然だった。
彼女の家にお邪魔してたら親父が帰ってきて、
彼女の親父は「中学生なのに恋愛などはするな!」と俺を殴って追い返した。
「受験を控えた娘にちょっかいを出すな」と言われ、それ以来会う事ができなくなった。
彼女がどんな心境だったのかもわからないが、
俺は受験を終え、今なら少しくらい会ってもいいんじゃないかと思い、彼女の家に電話をした。
『おかけになった番号はただいま使われておりません・・・』
「えっ?そんな!」
急いで彼女の家に向かった。
そこに彼女の家はなかった。
取り壊された跡で俺は立ちつくして泣き叫んだ。
301 :本当にあった怖い名無し:2007/08/31(金) 22:40:41 ID:D0Q3fZbu0
俺はその後、できるかぎりで彼女の行方を捜したが、
彼女が立ち退く前に高校の進学を断念し、入院したといううわさを聞いただけだった。
それからしばらくして、彼女の夢を見るようになった。
俺が彼女に一生懸命その日あったことをしゃべりかける夢。
彼女は花畑でにっこりと微笑みながら話を聞く。
俺「今日さ、体育祭があってさ・・・」
彼女「・・・」
俺「俺、大学に行きたいんだよ」
彼女「・・・」
彼女の夢を見ると必ず穏やかな気分になって、起きると泣いてた。
303 :本当にあった怖い名無し:2007/08/31(金) 22:54:24 ID:D0Q3fZbu0
しだいに彼女は影が薄れていった。
最後にその夢を見たのは大学を卒業する直前。
俺「俺さ・・・就職決まって、ついに地元を出る事になったよ」
彼女「お・・・め・・・・で・・・とう・・・・」
ゆっくりおじぎして、彼女は遠くにいってしまった。
それ以来、いっさい彼女の夢をみることも、彼女の顔も思い出せなくなった。
その夢を見た翌朝、急いで彼女と一緒に撮った写真やら日記帳やらを探したんだけど、
ついに出てくることはなかった。
もう今じゃ顔も思い出せないけど、
一言くらいありがとうを言わせてほしかったよな・・・って今でも思うよ。
304 :本当にあった怖い名無し:2007/08/31(金) 23:18:46 ID:ZRRxc9eu0
彼女死んじゃったのかな?
305 :本当にあった怖い名無し:2007/08/31(金) 23:22:05 ID:D0Q3fZbu0
>>304
そうだろうね・・・
夢を見始めた時に気がついたんだよな。
あぁもうこの世にはいないんじゃないかなってさ・・・
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