◇ 心霊ちょっといい話VER.9 ◇
854 :本当にあった怖い名無し:2006/08/04(金) 10:33:58 ID:9kJsErgE0
私の母がまだ独身だった25年くらい前の話らしいです。
交差点を渡ろうとした時、前に10歳くらいの女の子が歩いていて、
その子が母の目の前で、左折しようとしたトラックの後輪に巻き込まれてしまった。
当然その場はパニック。
女の子はその場にいた男性にトラックの下から引き出されたが、
・・・もう・・惨いとしか言えない状態だったそうだ。
そして残酷な事に、その少女はその惨い状態でまだ生きていて、
虚ろな目で「痛い・・痛いよう・・・」と呟いていて、聞いているほうは堪らなかったらしい
母はあまりの事に、その場から逃げる事も目を背ける事も出来ず、最前列で呆然とその情景を見ていたが、
ふとその女の子が母に視線を合わせると、
「・・お母さん・・怖いよう・・・」
その時、母は何かに押されるように、女の子が横たわっている側に行って、
手を握りながら「大丈夫よ、お母さんがずーっと一緒にいるからね」と我知らず言うと、
女の子は嬉しそうに頷いた。
結局、その女の子は救急車が来る前に、母に手を握られたまま息を引き取ってしまった。
母は少しも怖いとか気持ち悪いとか考えられなくて、
本当にその子の最後を1人ぼっちで迎えさせたくない!という気持ちだった。
しかし、全ての処理が終わって家に戻ってから、
普通ではない自分のやった事や、事故のショックで、何日も寝られない食べ物も口に入らない日が続いていた。
でもある日、用事があって家の玄関から外に出たら、
少し離れたところにあの女の子と、その横に別の知らない大人の女性が並んで立っていた。
二人は母を見るとニッコリ笑ってお辞儀をしたかと思うと、もう消えていたんだって。
一瞬だったし幻かもしれないけど、母はそれを見て、
「あの子はあの世で1人じゃないし、成仏してくれたんんだ」と感じて、
それから急に心身の体調が回復していった。
挨拶に見えられた女の子のご両親に、その横にいた女の人の話をした。
心当たりはないようだったが、悲しい中にも何だかホッとされていたとか。
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