◇ 心霊ちょっといい話VER.6 ◇
290 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/23 23:58 ID:zdfD+XWW
去年の話なんだが、5歳の娘が急に高熱を出し、慌てて近くの病院へ連れて行った。
そして風邪と診断され、処方された薬を3日間飲ませていたが、症状は一向に良くならず。
ひょっとして医者の誤診では?何か別の重い病気かも…と思い、大学病院まで行ったけど特に悪い所も見付からない。
なのに下がらない娘の熱。
どうしたものか…と妻と一緒に頭を悩ませていた。
そして5日目の朝、妻が言いにくそうに俺にこう言った。
「アンタには言ずらかってんけど、○○がな、怖がってんねん…」
「何を?」
「部屋に怖いオバちゃんがおるって…ベットの横に立ってて怖いって」
「はぁ?何ソレ?」
俺は昔からあまり霊現象とか信じない性質だったので、妻は黙ってたみたいだが、
俺が仕事に行ってる間に娘の看病をしていた妻は、娘から何度かそう言われて困っていたらしい。
しかし、その朝は熱のせいで見える幻覚の類だと思い、妻にもそう言って俺は仕事に行った。
でも、やっぱりソレが何となく気になって仕事がはかどらず、そして5日も苦しんでいる娘を救ってやりたくて、
俺は顔見知りの自称霊能者に連絡を取った。
奴はその日の夜に来てくれて、娘の部屋を見るなり「やっかいな霊の気配がする」と言い出し、
やれ盛塩だ、やれ読経だと言い残し帰っていった。
そして、それから2日間。
俺は半信半疑ながらも妻と一緒に言われた事を全てやっていたが、効果は見られず娘の熱は下がらないまま。
遂に精密検査を兼ねた入院措置を取る事となった。
291 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/23 23:58 ID:zdfD+XWW
しかし、悪い所は見付からない。
そして、病院に来ても娘は「怖いオバちゃんがいる」と言い続け、俺も妻も精神的に参っていた。
病室で情けなくも頭を抱えながら、『誰か何とかしてくれ…』と心の中で泣きそうになりながら叫ぶ。
このまま娘は死んでしまうのかと不安でいっぱいだった。
しかし、その2日後、嘘のように娘の熱が下がった。
そして娘は言った。
「昨日、太いお姉ちゃんが来て、オバちゃん連れて行った」
俺と妻は「?」になりながらも娘の話をよく聴くと、
何でも昨日の夕方頃、急に太った女が病室に現れ、
横にいた怖いオバサンにボソボソ呟くと、半ば強引に連れて行ったらしい。
そしてすぐにもう一度現れて、
「もう大丈夫やで。辛かったな」と娘の頬を撫で、病室を出て行った…という事だった。
それを聴いて、妻は「どなたか分かりませんが、ありがとう」と呟き、手を合わせ涙を流していた。
292 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/23 23:59 ID:zdfD+XWW
…俺にはその太った女に心当たりがあった。
それは10年前、俺が19の時、23歳にして交通事故で亡くなった姉。
太った女と聞いてもしかしたらと思い、娘に姉の特徴を言ってみた所、おおよそのところ姉に間違いなし。
物凄く気が強かった人だったため、『半ば強引に連れて行った』というのもなんだか分かる気がした。
俺はその後すぐに姉の眠る墓へ行き、姉に礼を言い、そして霊の存在を信じるようになった。
「死ね!」が口グセの姉、知らない男と殴り合いの喧嘩をする姉、老人と動物以外には容赦ない姉、
そして子供が死ぬほど嫌いな姉…
そんな恐ろしい姉でも、姪は可愛かったんだな…
姉ちゃん、マジでありがとう。
娘を苦しめていた原因(?)のオバサンは、その後…姉にどうされたんだろうか…(((;゚Д゚)))
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