不可解な体験、謎な話~enigma~ Part74
192 :1/2:2011/10/04(火) 01:44:02.45 ID:a9NpIxef0
今年のお盆に地元に帰省して、一人で墓参り行ったときのこと。
実家の墓がある墓地は、駐車場を一段上がったところに広い墓地が広がってて、
さらに奥に行くとさらに階段があって、そこを登ると小さい墓地が点在してる構造になってる。
広いほうの墓地にある実家の墓参りを済ませたあと、
数年ぶりに帰ってきたことだし、ちょっと散策するかなって気になった。
奥の階段を登るとちょっとした小道になってて、墓地の反対側まで抜けることができた記憶があったので、
ずんずん進んでいった。
途中、ちょっと開けたところにまた墓地があったんだが、
その左奥にある墓が目にとまって、なんの気なしに近づいたんだ。
193 :2/2:2011/10/04(火) 01:46:32.04 ID:a9NpIxef0
それは随分と古い墓で、墓石の一部は苔生しており、もう長いこと人がお参りしていないような雰囲気だった。
あまり無関係な墓に近づくのもアレだしと思って、すぐにその場を離れようとしたんだが、
その時、不意に「エツコさん、随分と遅くなりました」って言葉が口をついて出てきたんだ。
まったくの無意識で呟いた言葉で、自分でもなんでそんなことを言ったのか訳が分からず、
えっ?何?俺何言った??って混乱していると、ラジオみたいな声というか音が頭の中に鳴り響きはじめた。
それと同時に、とてつもなく胸が締め付けられる感覚に襲われて、
『ああ、みんな死んでしまったんだな』っていう、懐かしいような悲しいようなそんな感情に包まれ始めた。
得体のしれない感情に怖くなった俺は、慌ててその場を逃げ出した。
特にこれといった後日談もなく、それだけのことなんだが、俺にとってはかなり不可解な体験だった。
次の記事:
『雷電山』
前の記事:
『行く当てのないドライブ』