怖い話まとめブログ ロゴ
※旧怖い話まとめブログ跡地
このブログについて  お問い合わせ  オカルトblogランキング  怖い話まとめブログ管理人のツイッター  B!

※この記事はhttp://nazolog.com/blog-entry-4321.htmlに移転しました。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


次の記事:『仏様の力』
前の記事:『死んでしまった猫』
[ --/--/-- ] スポンサー広告 | この記事をツイートする | B!

『救う』


◇ 心霊ちょっといい話VER.1 ◇

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2001/03/30(金) 21:39
その日、いつも通りに電車に乗って会社へ向かった。
ドアに寄りかかって外の景色を眺めていた。
地下鉄に乗りかえる駅(日比谷線の八丁堀駅)が近づいて来て、
網棚に上げておいた荷物を取ろうと、体を後ろにひねった瞬間だった。
ぱしっ!と、顔に何か乾いたものが当たった。
何だか分からない、あえて言うなら布みたいなもの。
強風にあおられたジャケットの襟が顔に当たるような、そんな感じだった。
「!」と振りかえったが、他のお客さんはみんな座席に腰を下ろしていて、
俺にちょっかいをだせそうな位置には、それらしい人間は誰もいない。
顔を押さえる俺を、みんな怪訝そうに見ている。
何が何だか分からなかったけれど、とにかく、
つけていたハードコンタクトレンズがズレて、目の奥に入り込んでしまって痛くて仕方ないので、
いつも乗る地下鉄を1本遅らせることにして、駅のトイレに寄って洗面台でレンズを直した。

鏡に向かってレンズを直していたら、急に外が騒がしくなった。
なんだろう?と思い、改札を通って駅構内へ入ろうとしたら、
ホームから営団の駅員が、
「入らないで下さい! すぐに地上に避難して!」
こちらに叫んでいる。
びっくりして訳がわからないまま、とにかく指示通り階段を駆け上がって地上へ出たら、
すぐ目の前の車道に消防車が急停車し、消防隊員が俺と入れ替わりに階段を駆け下りて行った。
地下鉄サリン事件だった。

もしあの時、『何か』が目に当たってコンタクトがズレなかったら。
俺の乗った電車は、サリンの充満する霞が関駅に滑りこんでいた。
誰が助けてくれたのかは分からない。
でもあれ以来、目に見えないものの存在を信じるようになった。

ここから先は蛇足だけれど……。
『死んだ人間』に『生きた人間』が救えるのなら、
『生きた人間』が『生きた人間』を救うのは当然だ、とも思ったので、
機会を作って、いろんなボランティアにも参加するようにしている。

次の記事:『仏様の力』
前の記事:『死んでしまった猫』
[ 2011/10/23 ] 心霊ちょっといい話 | この記事をツイートする | B!


copyright © 2024 怖い話まとめブログ all rights reserved.
/ プライバシーポリシー