◇ 心霊ちょっといい話VER.1 ◇
28 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/02/13(火) 18:14
これは母から聞いた話なんですが、
結婚前勤めていた会計事務所で、母は窓に面した机で仕事していました。
目の前を毎朝、御近所のおじいさんが通り、お互い挨拶をかわしていました。
ある日は、果物や家でとれた野菜など差し入れてくれる日もあったとか。
母はそのおじいさんと仲良しだったみたいです。
おじいさんが来るとき、さくさくと雪を踏む音が聞こえてくるので、いつも窓を開けて挨拶していたそうです。
でもある日、おじいさんは顔を出しませんでした。
家族の人に聞くと、「山に行ったっきり帰ってこない」と。
捜索願いも出され、母も事務所の人たちもとても心配していたそうです。
二日後の朝、いつものようにさくさくと音がするので、おじいさんが戻って来たんだと思い、
母は窓を開けて顔を出しました。事務所の人たちも窓のところに寄ってきました。
でも誰もいない。足音は目の前で止まりました。
空耳かなと思って窓を閉めようとした時、また足音がして、それはだんだん遠ざかって行ったそうです。
そのあと、電話がなりました。
おじいさんの家族から、『ついさっき、谷底で死んでいるのが見つかった』と。
「最後に会いに来てくれたんだねって、みんなで話したのよ」と言っていました。
なんだか聞いててちょっと切なくなりました。
次の記事:
『貸した金』
前の記事:
『おもちゃの消防車』