子供の頃の不思議体験 4
30 :本当にあった怖い名無し:2009/01/13(火) 20:36:30 ID:PA0TOztm0
小学校5年の夏、奈良県の吉野の方が母の実家で、帰省かねて家族で遊びに行った。
普通なら実家に連泊するんだが、その夏はキャンプ道具一式もっていったので、
吉野川の流域のテント張れるところで、キャンプして遊ぼうという計画だった。
で、計画通り、朝から出発し、キャンプ場についた。
吉野川は川の流れも早く、普通は危なくて泳げない。
ところが、キャンプ場のところだけはせき止められたようになっていて、
ちょうど小学校の講堂の半分くらいの面積のところが、池なみに流れもほとんどなく、
着いた昼頃には、川岸というより『池』岸には中学生の団体らしき先客がいて、人工プールのようになってた。
水深は2mぐらい。ちなみに俺は2Kmぐらい泳げた。
早速テントをたてて、水着に履き替え、泳ぎだした。
しばらく泳いでいたが、青い空を見たとたん(変に印象的だったからあえてそう書く)フッと意識が遠ざかって、
俺は動けなくなって沈んだ。
おやじが飛び込んで助けてくれ、俺は事なきを得た。
31 :本当にあった怖い名無し:2009/01/13(火) 20:36:45 ID:PA0TOztm0
その夜、テントの中で「おまえどうしたんや?心臓も悪ないのに?」と父が聞いた。
「いや、分かれへん。あんなん初めてや・・なんか変な気分やった」
とりあえず水泳は中止し、別のところでまたテントを張ったあと、母の実家に戻った。
「お帰り。疲れた?」と叔母がねぎらってくれたが、
奈良新聞を読んでいた叔父が、「ほー○○で子供溺れて死んだって」といった。
「えー」と叔母がそれに呼応した。
記事を読むと、ちょうどサマーキャンプで川遊びをしていた団体の子供が、
水泳中に溺れて誰も気づかず、翌朝発見されたらしい。
それは俺がちょうど溺れた場所で、日時も同じだった。
「○○もそこで溺れよったんや」と父がいって、
「おまえ足引っ張られたんと違うか?」と俺に冗談めかしていった。
叔父は、
「あそこ3つの流れ入ってきてるやろ?温度差で人間の体ショック受けることもあるらしいで・・・」
ひとしきりその話をしたあと、別の話題へと変わっていった。
偶然ということもあるかもしれない。叔父がいうように環境的なことかもしれない。
でも、あの時見た『青い空』には、今思い出しても、
不気味さと不思議な寂しさが入り交じったノルタルジーを感じる。
俺は気づかなかったが、その時、本当は俺の真下に沈んでいて、足を引っ張って助けを求めたのかもしれない。
また、そうでなくて全く偶然でも、溺れた子も同じ青い空を見たのだろうか?
もし見たのなら、それがその子にとって、最後のこの世での風景だったに違いない。
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