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『防空壕での出来事』2/2

「『防空壕での出来事』1/2」の続き
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?273

825 :本当にあった怖い名無し:2011/07/13(水) 19:25:35.81 ID:S1kRq45M0
事件が起きたのはこの日から丁度三日後、防空壕に行ったあの日のように蒸し暑い、土曜の昼のことだった。
その日、俺はちょうど家族との買い物で、朝から隣町のジャスコに行っていた。
誕生日が近いこともあって、プレゼントを買ってもらう事になっていたのだ。
新作のゲームを買ってもらい、回転寿司を食べて、俺はとても幸せな気分に浸っていた。

その帰り道、あの山の上空に、ヘリコプターが何台も飛んでいるのを目撃した。
何度も言うが、小さな町だ。何もないのにヘリコプターがあんなに集まるはずがない。
俺の嫌な予感は、最悪の形で的中することとなる。

あの日以来、学校を休んでいたBとC。
Aと俺は、あんなことがあったのだから心配だけど、仕方がないだろうとそれほど気にしてはいなかった。
家に帰り着いたとたんに、鳴り響く電話の着信音。
慌てて出るとAだった。
A『やっと出た! おい、ヤバい事になった!!』
俺「は? どうしたんだよ。ヘリコプターが沢山飛んでるのは見たけど、何か事件でも起きたのか?」
A『Bが刺された!!』
俺「…………え?」
A『俺もさっき父さんから聞いたんだ! あの公園でBが誰かに刺されたんだってよ!!
 なぁ、Dどうしよう、Bが死ぬかもしれん!!!!』


837 :本当にあった怖い名無し:2011/07/13(水) 20:39:53.59 ID:S1kRq45M0
電話越しで涙声になっているA。俺はただポカンと電話を持って突っ立っていた。
と、同じように携帯電話で誰かと話していた母親は、俺のその様子を見ると、さっと電話を取り上げた。
そして、
「A君?ごめんなさいね。
 Dとてもショックだったみたいで、ちょっと今お話出来ないみたいだから、
 またあとで、お電話してくれるかな?」
と一言二言話すと、電話を切って俺を抱きしめた。
母「ショックだとは思うけど、ちゃんとしなさい。今警察が犯人を探しているから、今日は外に出ちゃだめよ」
俺「…………」
母は俺にそういうと、電話を取り出してまたどこかに掛け始めた。
茫然自失という言葉があれほど身にしみて分る体験は無いだろう。
全身の血液が足元から流れ出し、目の奥がカァっと熱くなる感覚。
自分が立っている地面が揺らいでいるみたいで、まともに立っている事すらままならなかった。

これは後日聞いた話であるが、Bの傷は異常なほどひどかったらしい。
全身を数十か所突き刺され、手や腕にも、刺されるのを防いだ時に刻まれた傷が無数にあったらしい。


840 :本当にあった怖い名無し:2011/07/13(水) 20:43:37.72 ID:S1kRq45M0
そして、憎むべき犯人は、その日のうちに捕まってしまった。
あまりにもあっけなく、ある意味すがすがしいほどあっさりと。
病院に搬送されたBが証言したのだ。
それまで報道されていた犯人の特徴である、自転車に乗った男などではなく、
自分を刺したのは、友人のCであると。
事件は急展開を迎えた。その証言のもと、緊急逮捕されたC。
小学生が級友を刺したという凶悪な事件性から、マスコミや新聞社が連日BやCの家に押しかけ、
芸能人の出待ちのように、俺やAの家の周りにもカメラや記者が張り付いたのだ。
学校では緊急集会が開かれ、
俺達のクラスにはその後、副担任という形で心理カウンセラーの教師が配属されることとなった。
Cの家族は当然、地元に留まれるはずなどなく、半ば夜逃げのように引っ越ししていった。
小さな町で起きた大きな事件。
CがBを刺した原因は、世間ではイジメだと囁かれていたが、
俺達は、あの防空壕での出来事こそが原因ではないかと睨んでいる。
BがCをイジメているような素振りを見せたことなど一度もなかったし、
あの日以降のCの行動には、不可解な点がいくつかあるのだ。


841 :本当にあった怖い名無し:2011/07/13(水) 20:46:07.99 ID:S1kRq45M0
一つ目、何故Bをめった刺しにしたのか。
二つ目、俺達に気付かれずにどうやって山を降り、自宅に戻ったのか。
三つ目、何故そのあと、家族に理由すら話さず学校を休み、俺達からの電話に出なかったのか。
そして最後に、Bの事件の当日、
何故俺やAに、「今日一緒に遊ばないか?」という内容の電話を掛けて来たのか。


843 :本当にあった怖い名無し:2011/07/13(水) 20:49:25.01 ID:S1kRq45M0
ちなみにBは生きている。一時は危ない状態だったらしいのだが、一命は取り留めた。
一番初めに話した久しぶりに酒を飲んだ友人というのも、このBである。
少しだけ傷痕を見せてもらったが、マンガのように全身傷だらけという事はなく、
ほとんど気付かないレベルの物だった。
ただ一つ、ネクタイの襟元に隠された首元の傷を除いて。

そして、これからがこの話をしようと思った原因なのだが、
あの日、防空壕で俺達が見た光の正体についてである。
元々俺達の地元は、血で汚れた刀を河の水で漱いだという事から地名が付いた土地があるほど、
血の多く流れた土地である。
そして、あの小さな山にあった横穴(防空壕)は、古墳というよりも首塚であったのではないか、
というのが俺達の見解である。
事実そのような記述のある文献も存在していた。


844 :本当にあった怖い名無し:2011/07/13(水) 20:51:38.91 ID:S1kRq45M0
Bが見たという光の正体。
それは、様々な動物と落ち武者のような男の顔がごちゃ混ぜになった、生首だけの異形の怪物だったらしい。
Bが刺される直前に見たCの顔は、普段の人好きのするCの顔ではなく、
異常につりあがった目と、だらしなく開きよだれを垂らす口元、腐った獣のような臭い。
どれを取っても、あの時に防空壕で見た怪物の顔そのものだったそうである。
それが何故Cに取憑いたのか、その生首の怪物は一体何者で、あの後はどうなったのか。
全てはあの防空壕の闇の中である。

長々とごめんなさい。事実なので、地元の人がいたら分かるかもしれません。


848 :本当にあった怖い名無し:2011/07/13(水) 20:54:48.20 ID:mQ8a+Z3P0
いつぐらいの事件ですか?


849 :本当にあった怖い名無し:2011/07/13(水) 20:56:54.82 ID:S1kRq45M0
>>848
十年くらい前かな。
ちょっと前に、もっと大きな事件があったから、
世間の記憶的にはそっちにつられてて、この事件の記憶はかすんでしまっているかもしれません。


851 :本当にあった怖い名無し:2011/07/13(水) 20:58:45.21 ID:mQ8a+Z3P0
その後C君はどうしてるのですか?


855 :本当にあった怖い名無し:2011/07/13(水) 21:03:33.11 ID:S1kRq45M0
>>851
Cは、児童相談所から児童自立支援施設に入所後、どうも母方の家に身を寄せているみたいです。
高校受験の時に、見かけたと言っていた奴がいたので、案外近くに居るのかもしれません。

Aについては、地元を出て地方の海上自衛隊に入隊しました。

Bは、大学でテニスサークルに入って頑張っているみたいです。


856 :本当にあった怖い名無し:2011/07/13(水) 21:07:57.97 ID:mQ8a+Z3P0
>>855
結局その事件は、まわりの大人も司法も含めて、そのようなオカルト的な出来事として認識されたの?


857 :本当にあった怖い名無し:2011/07/13(水) 21:08:28.78 ID:1ooU6dKT0
>>808
乙です
同郷ですかね、俺もそんな場所で似た経験があります
山の特徴や刀を水で洗う地名など、なんとなく符号します


859 :本当にあった怖い名無し:2011/07/13(水) 21:11:14.32 ID:S1kRq45M0
>>856
防空壕での出来事は俺たちだけの秘密にしています。

C自身が何も言い出さない以上、この事件はイジメを苦にした少年が、イジメの主犯格たるBを滅多刺しにした、
という解釈になっているかと思われます。
もちろんBは反論しているでしょうが。


860 :本当にあった怖い名無し:2011/07/13(水) 21:15:51.48 ID:S1kRq45M0
>>857
おぉ、どうもそうらしいですね。
事件を知っている人がいてくれて、嬉しいような、悲しいような。

いやはや、世間は狭い。

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