不可解な体験、謎な話~enigma~ Part70
693 :本当にあった怖い名無し:2011/06/23(木) 21:10:47.27 ID:Ze0+OnR00
大した話じゃない上に長くて面白くもないかも知れんけど、思い出したんで。
本家の爺さんが亡くなるちょっと前に、「俺は未来人見た事があるんだよ」みたいな事を話してた事があった。
もういい年だったから、みんなも「ぼけた?」とか思ってたんだけど、
ぼけるほど耄碌もしてなかったし、亡くなる前とはいえ元気だった。大体死因、心筋梗塞だったしな。
で、特に誰も相手しなかったんだけど、
その時の俺はまだ子供だったし、言うなればお爺ちゃんっこだったから、
それからしばらくしてから聞いてみたんだよ。未来人の話を。
爺さん曰く、
・子供の頃に近所で一人で遊んでた時に会った。
・服装も髪型もやけにハイカラだった。
・カメラを携帯しててそれであたりを撮影してた。
・初対面の爺さんを「君は●●だね」と言い当てた。
って事らしい。
俺も子供の頃聞いた話だから、はっきりとは覚えてない。
694 :本当にあった怖い名無し:2011/06/23(木) 21:12:22.51 ID:Ze0+OnR00
で、別に未来人だって明言したわけでもなくて、
爺さんは、その格好と、カメラと、自分の事を知ってたって事をあわせて、
とにかく得体の知れない人だと思ったらしい。
それが時が経つにつれて、その未来人みたいな服が流行って、
当時はなんだか分からなかった黒い塊が『カメラ』だって分かって、
それで何となく、未来人なんじゃねえかと思ったそうだ。
(爺さん子供の頃=大正初期。爺さん未来人だと思い始める=昭和後期)
その時は、俺も爺さんスゲーとか思ったけど、
特に予言とか、そういう関連の話がなかったから、ちょっとがっかりしたりしてたんだけど。
当時、心霊写真とか予言とか流行ってたからね。
それから数年経って、爺さんは亡くなった。
695 :本当にあった怖い名無し:2011/06/23(木) 21:15:26.54 ID:Ze0+OnR00
そんなことすっかり忘れて十数年後。
今度は婆さんが亡くなった。つまりあれな、爺さんの奥さん。
うちの本家はスゲー田舎にあって、歴史もそこそこ。
かといって名のある家系というわけでもない。
だから、●●家みたいなのも、婆さん死んだら終わりかなーくらいの微妙な家柄だった訳さ。
そんな中で婆さんが亡くなって、それじゃまあ色々片付けちまうか、みたいな事になったんだよ。
本家の屋敷ってのが築百五十年くらいで、訳のわからんものがやたらあったんだ。
爺さんも婆さんも死んじまったし、良い機会だろって事で。(屋敷はそれくらいだけど、一族的にはもっと古い)
婆さんの葬式も終わって、めいめい屋敷とか蔵の片付けしてた。
そしたら出るわ出るわ、無銘の日本刀やら、掛け軸やら壺やら。
で、これがまた尽く、二束三文の骨董的価値もないがらくたばっか。
もう、蔵ごと捨てたいくらいのよくわからんもの。
ここでお札の貼られた木箱でも出てくれば面白かったんだけど、そんなものはどこにもなかった。
桶ならあった。何故かたくさん。
696 :本当にあった怖い名無し:2011/06/23(木) 21:18:14.86 ID:Ze0+OnR00
で、屋敷の方を片付けてたら、爺さんと婆さんの部屋から、アルバムがごっそり出て来たんよ。結構な量で。
それが、長男家、次男家、みたいにまとめられてた。
爺さんの子供は兄弟おおくて、兄弟それぞれのアルバムとして作ったっぽかったんだけど、
次男以下、家庭を持って本家を出たあとでも、各々の家庭の写真を本家に送ったりしてたので、
それを爺さんたちがアルバムにまとめてたらしかった。
俺の家のアルバムも勿論あった。
まだ若い親父とガキのころの俺の写真とか、たくさんあった。
というか、それがほとんどだった。写真って、小学生くらいまでしか撮らないじゃん。家族でとかだと。
でまあ、そんなろくに記憶もないレベルの子供のころの写真を、パラパラみてたんだけど、
案の定、後半からなにも綴じられてない。
こんなもんだよなー、とか思って最後までめくってくと、最後の方のページから白黒の写真が出てきた。
俺が写ってる写真はもれなくカラーだったから、親父のかなと思ったんだけど、
親父の写真は前半に綴じられてた。
大体これ、親父とは似ても似つかない。誰だよ。
念のため親父に聞いてみるも、「知らん」の一言。裏書きもない。
697 :本当にあった怖い名無し:2011/06/23(木) 21:19:50.40 ID:Ze0+OnR00
その出てきた写真には、黒っぽい細見のコートを着て、少し長めでゆるいウェーブがかった髪をした、
(一族にしては)背の高い、男だか女だかわからん奴が、一眼レフを構えているのが写ってた。
なんだろう、っていうか誰だろう、と思って親戚連中に聞いて見るも、誰も分からない。
分からないっていうか、心当たりすらない。
唯一、手伝いに来てた近所の婆さんが、「こらぁ○○んとこの近くでねぇか」って、
おぼろげに場所の特定してた。場所はいいよ、誰なんだよ。
結局、誰かの写真が紛れ込んだんだろうって事でその場はおさまった。
だけど、何となく違和感があったんだ。既視感というか、そんなのが。
で、思いだした。爺さんの未来人の話。
確かにカメラ持ってるし、時代は分からないけど服装もなんかシュッとしてたし、これが未来人じゃね?と。
でも、その未来人の詳しい話聞いたのは俺くらいだったから、
「これ爺さんの言ってた未来人だよ」とか言える筈もなく。
一人で、「ああ、爺さんの言ってた事は本当だったんだな」とか納得してた。
698 :本当にあった怖い名無し:2011/06/23(木) 21:25:19.07 ID:uKZElIEB0
…んだけど、また最近になってこの話を思いだして、もやっとした。
まず第一に、写真に写ってたのは結局誰なのか。
未来人云々はさておき、葬式で集まるレベルの親戚に聞いても、
手がかりなし、心当たりなしというのがよく分からん。
一族の人間ならわからないってことはないだろうと思うんだが。
第二に、なんでうちのアルバムに入ってたか。
仮に一族だとしたら、まぎれても不思議じゃないけど、まるで無関係の人間だったら?
なんでわざわざうちのアルバムに? 俺が未来人の話を聞いたから爺さんが入れた?
なら話した時に見せてくれよ。
第三に、仮にこれ未来人だとして、誰がこれを撮ったのか。
爺さんは、「未来人が写真を撮ってた」とは言ってたけど、
「未来人の写真を撮った」とは言わなかったし、
そもそも爺さんの子供の頃に、個人用のカメラなんてないんじゃなかろうか。まして一眼レフ。
他にも、仮にこれが爺さんの言う『未来人』だとしても、
俺から見たら、明らかに昭和中期くらいの『過去人』なんだよね、とか。写真白黒だし。
699 :本当にあった怖い名無し:2011/06/23(木) 21:27:51.43 ID:uKZElIEB0
まあ結局、俺の中では、どこか余所の誰かが誰かを撮った写真が、たまたま俺の家のアルバムに紛れ込んだだけ。
と言う風に考えてる。(可能性としては低いけど)
もしくは、爺さんが半生をかけて俺を担いだ、とかね。何の目的かは知らんけど。
未来人でも面白かったけどな。
これ書いてたら、本家関連でいくつかオカルト話とか体験思い出したけど、
それはまた機会があったら書くわ。長文すまん。
700 :本当にあった怖い名無し:2011/06/23(木) 21:28:43.85 ID:+vP6eSK50
>>698
未来人の写真、スキャンしてうp!
701 :本当にあった怖い名無し:2011/06/23(木) 21:42:35.45 ID:xpu7qp0Z0
>>700
未来人つか、昭和モダンな感じなんだけどな。
俺らから見たら、本当に普通の古い写真。
親戚に該当する人間もいないってことと、爺さんの話がなかったら、本当にただの写真だったな。
一回携帯で撮ったけど、消しちゃって手元にないから、本家また行ったらとってくるよ。まだあるはずだし。
710 :693:2011/06/24(金) 08:42:34.11 ID:zuh3FSf2i
まあ俺も書いておいてなんだけど、信じてないつか、話半分で、みたいなところはある。
写真はいつ誰を写してるのかは分からんけど、
間違いなく写真は、撮った当時にそこに存在した人間が写ってるだけの写真、だと思ってるし。
でも、そこに写ってるそれが、大正初期に爺さんのところに来た未来人とやらなら、面白いなとは思ってる。
にしちゃあ昭和中期→大正初期とか近距離な未来人だけどな。目的もわからんし。っていうか誰なんだ。
734 :693:2011/06/25(土) 20:00:21.02 ID:2cX3qIIT0
とりあえず写真出て来たんだけど需要ある?
ただ現物じゃなくて、前に撮ったやつがPCに残ってたやつなんだが。
(これについては、本家が原発県なんでそうホイホイ行けない。
行くとしても法事とかないとなかなか行かないんで、これで手を打ってくれると助かる)
まあもうこの話題終わってんぞってなら引っ込むけども。
735 :本当にあった怖い名無し:2011/06/25(土) 20:06:24.05 ID:tFJsDVZW0
うp!
「『未来人の話と写真』2/2」に続く
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