あなたの職業に関するオカルトな裏話1
720 :本当にあった怖い名無し:2006/03/16(木) 17:45:45 ID:MubvqsFa0
自分は建設業だが、洒落にならん話は数点かな。
一番酷かったのは奥尻島の復興に行ったとき。
正直、二度と行きたくない。
722 :本当にあった怖い名無し:2006/03/16(木) 19:44:53 ID:MubvqsFa0
現地入したのは日中だったんだが、まず臭いが凄かった。
澱んだ水の腐った臭いや生ゴミのような腐臭、そんなものが入り交じってむっとしていた。
そして夜。
津波で洗われたあとだから、街灯なんざ根こそぎだし民家も潰れているから、本当の意味で闇。
僅かに被害を免れたところと、発電機のあるところぐらいしか明かりが無い。
そんな闇の中、自分は霊感なんざ指の先ほどしか無いような人間だが、
それでも感じる『そこに何か居る』という感覚。
明るい室内の窓の外から感じる、視線にも似た圧迫感。
実際、巡回中に遭遇したこともあった。
一応、業者毎の担当区ってのがあって、夜も定時に巡回することになってた。
理由は、被災者が戻ってきて、怪我したり二次遭難しないためにね。
ある夜なんだけど、そうやって回っていたら、おばあさんが街灯の下に立ってたのよ。
当然、こちらとしては声をかける。危ないですよ、どちらさんですかってね。
振り向いてこっちをみた、おばあさんの目は真っ暗だった。
そして気づいたんだけど、影がないし、そもそもこの区域にはまだ電気が復旧していない。
おばあさんの回りだけが、黄色がかった滲むように浮き上がっていた。
気づくと、マグライト持ったまま闇の中に立ってた。
目の前には、津波で粉砕された家があるだけだった。
まだ数点あるけど、聞く?
723 :本当にあった怖い名無し:2006/03/16(木) 19:58:19 ID:ct8StsE90
聞く。
729 :本当にあった怖い名無し:2006/03/16(木) 20:16:10 ID:MubvqsFa0
じゃ書く。
復興も進んできて、家屋の復旧とかの段階での話。
インフラもかなり復旧してきて、街灯も点いて来てはいたんだけど、前述のようなことがあったりで、
初期の頃から復興に携わっている人員は、夜はやはり雰囲気が違うので、基本的に夜の残業は控えていた。
電気が復旧してるので、そのときはもうそれほど気にしなくてよかったんだけど、
発電機の燃料の問題もあって、あまり夜遅くまでは作業しないように習慣づいてた。
建物を直して(ほとんど新築だけど)行って、躯体が終わると今度は内装と外装に移る。
外装は外仕事なので、日が落ちたらそこで終わりだけど、
内装は建物内だし、作業照明を用意すれば夜でも一応、作業は可能。
でも、前述理由によりほとんどしていなかった。
そこに、函館の商社派遣のクロス貼りの業者が、助っ人に入ってきた。
夜は作業しない方が良いよって言ったんだけど、
ノルマがあるからって、夕食後に一人で戻って残業したらしいんだよね。
で、朝になってそこに行くと半泣き状態で建物から出てきた。
話を聞くと、結局昨日は0時過ぎまで作業して、一部屋完了してから宿舎に戻る予定だったらしい。
作業場を片付け始めたら昼間聞いた話を思い出して、ちょっと周りに気が向くようになった。
途端に視線というか、妙な圧迫感を感じるようになったけど、
そこはそれ、気のせいだと思って片づけを続けて完了。
退去しようとして、作業灯を消したその瞬間、
窓という窓が人の顔で埋め尽くされて、覗き込まれていた。
あわてて電気を点けて、外にも出れずに、朝が来てみんなが来るのを待っていたということだった。
彼はあと一軒ノルマがあったんだけど、その日の昼便で帰っていったよ。
残りはあと一つ。
個人的にこれが一番嫌な話。
730 :本当にあった怖い名無し:2006/03/16(木) 20:23:19 ID:MubvqsFa0
話は北海道南西沖地震当日に戻る。
ある業者さんが居た。奥尻島青苗地区出身。
地震があったので、実家に電話をかけたそうだ。
業「あ、繋がった。俺俺。今、地震あったようだけど、大丈夫?」
母『あー、○○かい。こっちも揺れたよー。でもだいじょぎゃっ・・・』
ブツっという切断音と空電、続いて不通音。
そのとき、実家を津波が直撃したということだった。
「俺が電話をしなければ家族は助かっていたのかもしれない」
そう言ってずっと彼は悔やんでいた。
たぶん津波の規模から、電話して無くても助からなかったと思うが。
彼は現在行方不明になっている。
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