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『宝部屋』2/2

「『宝部屋』1/2」の続き
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?265

61 :本当にあった怖い名無し:2011/05/18(水) 08:51:36.20 ID:kYdZPUH20
で、その先生とはその後どうなったの?


62 :本当にあった怖い名無し:2011/05/18(水) 09:17:30.91 ID:7YBF39R/0
その先生のエピソード他にもあればお願いします


63 :本当にあった怖い名無し:2011/05/18(水) 09:17:38.96 ID:N7wi2zL40
続きタノム


108 :55:2011/05/18(水) 21:24:29.65 ID:u1r0CsJ60
>>61-63
わざわざ、あんな長い文章を最後まで読んでくれてありがとう。
今の自分は地元を離れた大学に通っていてね、勉強は中断してる。
色々あって最近は会ってないけど、先生は今も元気だと思うよ。

先生が占いを教えはじめてからさ、何か変だな、と思う時があった。
当然、当時の俺は、占いを教えて貰うなんて初めてだったし。
けどさ、占術に関する有料セミナーとかって、けっこうネットなんかで見かけるよね?
おそらく、あんなセミナーでは絶対教えそうにないことを教えられたんだ。
占いを極めるには、占い以外にも精通しなくてはいけない事がある、とね。
先生は、その辺りの基礎も含めて俺に教えてたんだ。

例えばさ、人殺しはしてはいけないことだよね。
じゃあ、どうして人殺しをしてはいけないのか、って聞かれたら何て答える?
法律で罰せられるからか、世間から冷たい目で見られるからか?
じゃ、誰にも知られず、証拠も残さなければ良いのか?
そうじゃない、と先生は言った。
人間社会のではない、この世界の法律がある、と。
正確には、この世もあの世も含めた、決まりや法則があるんだね。
その点から、殺人は許されない、非常に罪が重い行為なんだ。
人間社会のみの一般常識でなく、世界全体の一般常識っていうのかな。
この事をよく知らずに占いをしてたら、悪いことが降りかかってくるのに気付かない、と。
しかしさ、現実に日本だって、占いしてる人はたくさんいるよね。
テレビとかにも、たくさん出てくる人がいるし。
すると先生はさ、そんな人達でも、知らないうちに危険な目に遭ってる、と言った。
それで、ある一定レベル以上の占いだと特に危険になる、と話してくれた。
例えば、紫微斗数という占いがあるんだね。
台湾ならともかく、日本でそこまでのレベルに達した人は一人しか知らない、と。
これはさ、本当に数え切れない程の、場数を踏んだ人だけ到達できる境地だ、と。
そういう人達はさ、ある時、あぁ、命理とはこういう事なのか、と気付くんだ。
その領域に踏み込めた人達は、途端に多くの物が見えてくる。
けれども、それは同時に、非常に危ない事だ、と言ってた。


109 :55:2011/05/18(水) 21:24:56.47 ID:u1r0CsJ60
以前、先生は、とある人の命運を観に行ったことがあるんだ。
その帰り道、電車に乗ってると、向こうの車両から何かが迫ってくる。
それはさ、先生が鑑定した人に取り憑いていたモノだった。
結局、先生は追いつかれて憑かれてしまった。
それが何度か重なったせいか、先生はあまり顔色が良くなかったんだね。
それで、なぜ追いかけてきたか?
追いかけられないようにするには、どうするか?
その為の一般常識も含めて、俺に学ばせていたんだね。
とある決まりや法則から、追いかけられる理由が分かってくるから。
まぁ先生の場合は、かなりレベルの高い人に限っての話。
しかし実際は、そこまでのレベルでなくても、ある程度の危険は伴ってくると。
占いを実行すると、先生ほどじゃないけど、それなりに危険は生じてくる、とね。
だから先生は、占いを勉強して身に付けても、軽々しく使っちゃいけない、と言った。

なら、なんで先生は、使っちゃいけない占いを、俺にそこまで勉強させたのか?
先生はさ、占いに関しては、とてつもなく内容の濃い勉強を俺にさせた。
例えば、紫微斗数の勉強内容も、その辺の日本のセミナー講師が裸足で逃げ出すくらい。
なんせさ、先生は俺に命盤を書かせない方法で学ばせていた。
頭の中だけで、100以上の星の配置をイメージするよう命令していた。
しかも、その頭の中で星を飛ばせ、と。
流派によってはさ、輝度の低い星は無視するんだが、それでは精度が落ちる、と言ってた。
ガンプラはくれたけど、小学生に酷い要求をする先生だったよ。

まぁつまり、そこまで勉強させておいて実は使えないんじゃ、げんなりだね。
すると、先生は言ってた。
別に紫微斗数を勉強させるのが目的じゃないって。
次に八字(ぱーつー)を勉強して貰うけど、それも本当の目的じゃない、と。
これらはみんな、次の段階の為の基礎勉強に過ぎない、と言ってた。
一つ上の段階へ進めば、内容はそれだけ高度になるからって。
今は基礎だけど、その辺の占いの先生以上にはなって貰いたいね、という酷い基礎勉強だった。


110 :55:2011/05/18(水) 21:26:14.33 ID:u1r0CsJ60
ただ、先生は妙なことを言ってた。
仮に紫微斗数と八字を習得したら、第1段階終了。
先生は、全部で5段階のカリキュラムが用意してある、と言った。
けれども先生自身、4段階を終了して、最後の5段階目の入り口に立ったに過ぎないって。
うん、ようやく5段階へ続く入り口を見つけたって話してくれた。
20年以上勉強していて、ようやく見つけることができたって。
先生は40になって、初めてそこへ到達した。
そう言って先生は謙遜してたけどさ、これはこれで考えると凄いよ。
先生は才能があったからこそ、40過ぎとはいえ、そこに到達できたと思うから。
実際、一生かけても、先生のそのレベルまで到達できる人なんて殆ど居ないと思うよ。
俺が見るに、日本では第1段階も突破できない人が、先生呼ばわりされてる場合もあるからね。

そういえば、その5段階のカリキュラムについて面白いことも言ってた。
昔の中国にとてつもない賢人がいたんだよ、と。
その賢人は、僅か10代で4段階まで完全習得したらしいんだ。
先生と同じレベルに20歳前に到達してたなんて、信じられなかったね。
その時代にも頭の良い人は一杯いたけど、その人物は群を抜いてたと思うよ。
けれど、本当にその賢人が凄いのは、それからだったんだ。
なぜなら、その賢人は30歳前に、その5段階目の学問を自分自身で作り上げたんだから。
つまり、先生が最後の目標と目指している段階の、占術の創始者なんだね。
正確にはさ、30歳前に召抱えられたせいで、それ以上進むのが難しかったらしい。
それまでひっそりと暮らして学問を続けていたけど、遂に見つかってしまったんだ。
本人は、自分自身の占術を大成したかったんじゃないかな。
もし召抱えられなければ、更に凄い占術体系を完成させたと思うよ。
けど、猛烈に頭を下げられたんだろうね。
それだけの大賢人なら、何が何でも配下にしたいって気持ちは分かるけど。
あれから賢人と呼ばれる人物は、数多く歴史に登場したけど、
全ての人々は、あの大賢人の背中を追いかけてるに過ぎないって、先生は話してたね。

うん、ここまで読んでくれてありがとう。

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