∧∧∧山にまつわる怖い話Part12∧∧∧
『猟犬』
355 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :04/09/05 00:20 ID:wOMYurfL
猟師に聞いた話
猟を終え、軽トラックで山道を下っていた。
荷台の檻には犬が2頭。
途中、うっそうと茂る森に差し掛かったところで、突然犬たちが吠え始めた。
何ごとかとバックミラーを覗く。
荷台を見通す小窓に、一瞬人の顔が覗いたかと思うとすぐに引っ込んだ。
異様なまでに無表情な男の顔。
驚いてブレーキを踏み、車を降りて荷台の方へ。
そこに人の姿はなく、檻にも異常はなかったが、中の犬が1頭消えていた。
もう1頭の犬は『何か』に怯え切っており、以来猟犬としては使いものにならなかった。
『修行の成果』
356 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :04/09/05 00:21 ID:wOMYurfL
Fさんに聞いた話
杣人のFさんはもう70過ぎの老者だが、山足が異常に速い。
かなり険しい斜面でも、平地と同じスピードで歩く。
体力自慢の作業員でも、Fさんのペースには付いていけない事が多い。
ある日、その理由を問うてみた。
「若い頃、山伏について修行してたんだが…」
自宅の上がり框で、Fさんは靴下を脱いで裸足の足裏を見せてくれた。
土踏まずの辺りに、親指ほどの穴が開いている。
「ここから筋を一本抜いてもらってから足が軽くなったんだ」
『あいつら』
357 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :04/09/05 00:22 ID:wOMYurfL
Fさんに聞いた話
はしごに昇って枝打ちをしている最中、
足元でガサガサと音がしたので見下ろしてみると、妙なものが居た。
人の頭ほどの毛の固まりから、細い人の手足が数本ずつ生えている。
そんなものが、手足で草を掻き分けて森の中へ消えた。
「人に化けようとしたんだろうが…ありゃデタラメだ。あいつら目が見えんからな」
Fさんは平然とそう言ってのけたが、『あいつら』が何なのかは教えてくれない。
次の記事:
『別れさせ屋』
前の記事:
『小さな人影』