∧∧∧山にまつわる怖い話Part10∧∧∧
536 :オマージュ:04/07/06 20:57 ID:sWZpiDmN
友人の話
彼は来週にせまった山登りのために、自宅で準備をしていた。
妻は毎度の彼の行楽に、少々あきれていたようにみえたが、一緒に荷造りを手伝ってくれたそうだ。
登山二日目、彼は水にあたったのか、ひどい下痢に見舞われた。
脱水になり疲労困憊。
救急セットの中に何か使えるものはないかとあさっていると、入れた覚えのない整腸剤が入っている。
服用するといくぶん楽になり、歩きだす事ができた。
家に帰って、妻にその事をいうと、自分が入れたと言う。
「なんとなく、必要になる気がしたの」
彼の細君は、たびたびその妙な勘の冴えを発揮し、家にいながら彼の窮地を何度も助けているそうだ。
537 :オマージュ:04/07/06 21:01 ID:sWZpiDmN
同じ友人の話
いつものように山登りの準備万端ととのえた夜、
彼が地図を眺め明日のルートをおさらいしていると、玄関で物音がした。
そっとドアを開けて覗くと、寝ていたはずの妻がごそごそ何かしている。
「な、なにしてんの?・・・」
「ん・・・なんとなく。入れといた方がいいかな~って思って・・・」
寝ぼけ眼の妻が、ザックに包帯やらガーゼやら詰めていた。
一体いくつ入れたのか、ザックはぼこぼこに変形し膨れ上がっている。
これが必要な事態って、いったいどんな状況なんだ?
ぞっとした彼は、その登山を取り止めたそうだ。
次の記事:
『その山で鏡を見てはいけない』
前の記事:
『満月の夜』