∧∧∧山にまつわる怖い話Part4∧∧∧
934 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :03/12/15 23:53
同僚の話。
消防団で、行方不明者の捜索に駆り出された時のこと。
自殺の可能性があるので、急いでくれとのことだった。
皆で探す場所の分担を決め、彼は先輩団員とともに裏手の山の捜索になった。
出かけようとする彼らを団長が呼び止め、「『五つの木』を見てきてくれ」と言った。
五つの木とは何か彼は尋ねたのだが、先輩は答えてくれなかったらしい。
山に入ると、先輩は迷わず足を進め出した。
やがて開けた場所に出たが、そこの真正面の大木に、何かが二つぶら下がっていた。
まだ新しい死体と、半ば白骨化した腐乱死体だった。
混乱している彼に先輩は教えてくれた。
自殺者は、なぜか決まってこの木で首吊りをするのだという。
これまでに最大、一度に五人もの死体がぶら下がっていたことがあり、それで『五つの木』と呼ぶのだそうだ。
ぶら下がっていたのは、その時の行方不明者ではなかった。
幸いにも、別の場所でまだ生きているところを発見された。
彼らが見つけた二遺体の、身元が判明したかどうかは知らないそうだ。
次の記事:
『森の形』
前の記事:
『黒い肌の人』