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『コーイチ君』1/2


不可解な体験、謎な話~enigma~ Part51

597 :本当にあった怖い名無し:2009/04/04(土) 20:43:06 ID:i2Gv4ZvD0
オチらしいオチも無いんだけど、自分的に腑に落ちなかった出来事。
結構長いけど、お付き合い下さい。

10年前、当時付き合っていた彼女と俺の家にいた時、彼女の携帯が鳴った。
普通に、「もしもーし」って出た彼女。段々怪訝な表情になってくる。俺の方見て、首を傾げたり。
だから「どうした?」って聞いたら、携帯のマイク隠して、「よくわかんないから、替わって」と。
俺が?って思ったけど、出てみた。「もしもし?」って。
すると電話の相手が、
『あ、替わってくれた!コーイチ君?私ちゃんと電話したよ!良かったー!替わってくれて。
 女の人出たから、ビックリしちゃった!』
とか言ってる。若い感じの女の子。
でも俺、コーイチって名前じゃないから、「誰にかけました?」って聞いたんだ。
すると相手が『え、コーイチ君でしょ?いつもと同じ声だもんね!ね!』と。
だからさ、ああ間違い電話か、と思って「違うんで。じゃ」って電話切った。
彼女にも、「間違い電話でしょ」とか話してた。
そうしたら、携帯がまた鳴った。番号も同じ。
またかよって思ったけど、もう一度説明しようと俺が出た。

以下会話
俺「もしもーし」
相手『何で切っちゃうんですか?』
俺「いや、俺コーイチじゃないからね。しかも俺の携帯じゃないし」
相手『え?だって、昨日夢で教えてくれたよね?この番号』
俺「え?夢?いや知らないから(夢って何だおっかねえ)。多分間違いでしょ」
相手『だって声同じだよ?昨日聞いてから、すぐ番号メモしたんだよ?』
俺「っていわれても、俺知らねぇから」
相手『でも、コーイチ君から教えてくれたのに・・・』
俺「だから俺コーイチじゃねぇから!」
相手『じ、じゃあ、お友達になって下さい!』
・・・え?


598 :597続き:2009/04/04(土) 20:54:20 ID:i2Gv4ZvD0
友達に、なって下さい。
意味がわからない。
だから俺「え?なんて?」
相手『えーと、コーイチ君が教えてくれた番号にかけたら、あなたが出た。
 だから、きっとそういうことなんですよ!ね、仲良くして下さい!』
俺「(ヤバい人だ!この人ヤバい類の人だ!)・・・無理です」
相手『何でですか?せっかくコーイチ君が教えてくれたのに』
俺「だからね、俺コーイチ君なんて知らないし、第一、この携帯彼女のだから!!」って言って切った。
横で見てた彼女にも、以上のやり取りを教えた。
で、怖いね~で終わった。

それからしばらく、着信の番号を警戒してたけど、何もなかった。
以上が10年前、19歳の頃。

そして一年経って、俺20歳。
友達等から、携帯を持て!という苦情が多くなってきたので、渋々自分の携帯を持った。
彼女ともまだ続いてて、コーイチ君の話も特に出てこなかった。

そんなある日、ドライブ中に、俺の携帯が鳴り出した。
知らない番号だぁ、とは思ったけど、普通に出た。「もしもーし」と。
すると、スピーカーから、
『コーイチ君?』
ででで、出たーーーーーー!!!!


600 :598続き:2009/04/04(土) 21:02:50 ID:i2Gv4ZvD0
助手席の彼女に口パクで、コーイチ!コーイチ!って伝えた。
怖がる彼女。俺だってビビった。
ビビりながらも、「チガイマス」と伝え、即切った。
「おっかねー!」と彼女と言い合う間も無く、再度鳴り出す携帯。
さっきの番号だ。怖いから放置!
でも鳴り止まない。
彼女にも、「出てみたら?ってか、本当は浮気してんじゃないの?」とか言われるし。
渋々出ましたよ。そりゃさ。

以下会話
俺「・・・もしもし?」
相手『やーっと出ましたねーw』
俺「はぁ。で、何でしょう?」
相手『コーイチ君がね、また電話番号教えてくれたんです』
俺「(まただ・・・)何の話ですか?僕名前違いますが」
相手『でも、一度お話しましたよね?』
ゾクっとした。
すげぇ怖かった。
何より、相手の楽しそうな感じが不気味だった。
でも、飲まれたら負けだ!と自分を奮い立たせた。


603 :600続き:2009/04/04(土) 21:17:22 ID:i2Gv4ZvD0
俺「えーと、そうだね、俺だね。で、何の用ですか?」
相手『コーイチ君が、ここにかけてごらんって。夢で・・・』
俺「そうですか。でも俺には、コーイチ君から何のお知らせも無いんで」
相手『本当に、コーイチ君からは何も聞いてないんですか?』
俺「さっきも言ったように、何も知らないから!前回もそうだったけど、大体、コーイチって誰よ?」
相手『いつも夢で、色々お話してくれる人ですけど』
俺「そうですか。でも俺の夢には出てこないんで。君も夢でお話してて下さい。俺には何の関係もないんで」
そう伝え、切った。
切ってから彼女に説明。浮気疑惑は晴れた。でも怖がってた。
「何で電話番号知ってたんだろう」って。
それは俺も怖いってば。

そんなこんなで、いきなり2年経過。
これまで話に出てた彼女と別れた22歳の俺。
別れてから1年経って、気持ち変える為に、携帯もD社からa社に変えてた。
大学5年生で、就職決まらず焦ってた時期。
単位はほぼ取れてたから、酒屋で配達のバイトばっかりやってた。
そんな毎日。

ある日の夕方、携帯が鳴った。知らない番号。
一瞬ドキッとした。またコーイチ女か?って。
でも、前回の電話以来、コーイチ女の名前で電話帳登録して、拒否リストにも入れてた。
何より、お得意さんからかかってくる事も多かったから、出た。
「もしもしー!」と元気良く。
聞こえてきたのは、スナックママさんの、酒やけした声や、社長のダミ声でもなく
『お久しぶりです。覚えてますか?』
はいコーイチ女ー!


604 :603続き:2009/04/04(土) 21:30:54 ID:i2Gv4ZvD0
あの声だ!おっかねぇ!
何だろう、怖い話聴いて、胃が上がってくる感覚。
俺だけかも知れないけど、不安なときの気持ち悪さを感じた。
でも勇気振り絞って、「どなたですか?」と聞いてみた。

以下会話
相手『あの、覚えてますか?前にもお話したんですが、私です。ミナです』

この時、コーイチ女が始めて名乗った。少し感心した覚えがある。すこーしだけね。
ちなみに、地元の友人で、ミナって呼ばれてる子は一人いた。
というか今でも仲良し。
だけど、声も全然違うし、頭に浮かびもしなかった。

と、まあ名乗ってきたわけだが、
俺「ミナさんですか?ちょっと分からないんですが」
ミナ『わかりませんか?あの、私、コーイチ君にまた教えてもらって」
俺「わかった・・・で、何の用?」
ミナ『えっと、やっぱり、コーイチ君がこの電話番号教えてくれて・・・
 あの、本当にあなたはコーイチ君じゃないんですか?誰なんですか?
 本当に何も聞いてませんか?何度もごめんなさい!』
俺「何度も言ってきたよね、違う。何も知らない。
 で、前に俺がコーイチじゃないって言った時、君もそれを聞いた上で、
 友達になって下さいっていったでしょ?」
ミナ『すみません!でも、本当に教えてくれるんです!電話番号を!』
俺「大体さ、何回目かわかんないけど、毎回すげー迷惑なんだよね」
ミナ『3回目です』
俺「うん、もうやめてもらっていいかな。何、こういうイタズラ電話?
 他にもかけてるのか知らないけど、絶対他の人も迷惑だよきっと。
 今も俺、バイト中だしね?」
ミナ『あ、あなただけですごめんなさい。
 ・・・また、夜にでも電話しちゃってもいいですか?』

「『コーイチ君』2/2」に続く

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