怖い話まとめブログ ロゴ
※旧怖い話まとめブログ跡地
このブログについて  お問い合わせ  オカルトblogランキング  怖い話まとめブログ管理人のツイッター  B!

※この記事はhttp://nazolog.com/blog-entry-1825.htmlに移転しました。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


次の記事:『握手』
前の記事:『よんどりっとわぁん』
[ --/--/-- ] スポンサー広告 | この記事をツイートする | B!

『風俗広告代理店営業職』


死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?77

633 :1/6:04/07/02 14:01 ID:QwES2H09
勤めていた会社が倒産して以来、一年近く無職でした。
30近くになって親の仕送りを当てにする生活。
もう仕事を選んでいる場合ではないと、今年3月より、マイナー風俗広告代理店の営業職に就いております。
主に仕事で出歩くのは、夜から深夜。
しかも治安が良いとはとても思われない、大○●・新大○●が受け持ち。
何度か危なそうな目に遭って、色々な意味で立ち入っちゃいけない場所などわかってきたものの、
まだまだ893な経営者やDQNなマネージャーとの交渉、
そしてそれ以上に、良心に心すり減らしてきました。

ぼくの担当区域あたりは、K国系、C国系のお店や人が多く、
新規媒体の売り込みや、お土産にガサ入れ情報などを持って、日々回っています。
すると日本とは別の、どこか脂っこいような社会・文化を形作っている印象を受けます。
外国人だから、ということじゃなく、日本人もなんか異質なんですよね。この辺り。


634 :2/6:04/07/02 14:03 ID:QwES2H09
薄暗い路地の雑居ビルの一室にあった、『哀(仮名です)』というマッサージ店は、
表向きは地味な看板一つの、中国式だか台湾式だかのマッサージのお店でしたが、
本当は違法風俗店で、格安で本番ができるのが売りでした。
そういう事を臭わせるような(分かる人には分かる!?)広告を、
ウチのような所が扱う媒体に打って、集客していたわけです。
当然それなりなお姉さん方がお相手なわけで、
売る方も買う方も、もの悲しく思えてくるような最果ての店でした。
働いてるaさんbさんという女性は、実は日本人で、しかも姉妹であり、
そこでまた、大人すぎる事情を感じさせられたりして。


635 :3/6:04/07/02 14:05 ID:QwES2H09
ある日、件の『哀』に行った折りのこと、インターホンを押しても誰も出ません。
飛んだかな?そんな事を思ってしばらくその場にいると、ドアの覗き窓が数回瞬きました。
なんだいるじゃん。
ウチとの取引金額など微々たるもの、居留守使われるほどのもんじゃないしと、
「また伺います」と、名刺を添えた簡単なメモを残して、1、2時間後にまた来ることにしました。
(この界隈、知らなくてもいい事柄が多そうだし、まあ何か事情があるんだろう)


636 :4/6:04/07/02 14:06 ID:QwES2H09
1時間くらいした頃にもう一度訪れると、何故だか踊り場の蛍光灯が切れかけていて、
瞬くたびに剥げかけてめくれた壁のペンキが蠢くような、さらに嫌ぁな雰囲気になってました。
風俗店によくある、見せかけだけの華やかささえもが欠けた、店及び店周りでしたが、
この時は、廃墟にでも入り込んだような気分になりました。

ドアホンを押すと、今度は扉が開きました。
そこにいたのは、見知らぬヤバ気な男性で、
こちらが口を開く前に、「今は間に合ってるから帰れ」と追い返されました。
しかしドアが閉められる瞬間、「助けて」というaさんの声を聞いたような…。
男の背後で有線がガンガン流れていたし、自分も妙な雰囲気に飲まれていたから、何かを聞き違えただけなのか?


639 :5/6:04/07/02 14:14 ID:QwES2H09
警察に通報を考えたものの、
違法営業の店に警察を立ち入らせることになってしまい、勘違いだったら自分の責任で大事になってしまう。
と思いました。
まずは事情通であり経験豊富だろう上司に報告して、相談することにしました。
が、「気のせいだろう」の一言で一蹴され、なかなか上がらない営業成績の嫌味を言われただけでした。
(実は、そう言われることは予想していました。売り上げしか評価しない社風でしたから)
しかし、やはり気になります。
翌日から、一週間ほど近くを通り過ぎるようにしていましたが、
路上置きの看板も出さなくなり、閉店した模様でした。

それ以上この件に深入り出来なかったのは、自宅に無言電話がかかるようになったからです。

終電を逃した日は、カプセルホテルや漫画喫茶で朝まで過ごし、朝方に着替えだけをしに帰るような感じで、
その頃はそれが日常でした。
その週の土曜、日曜、久しぶりに自宅で寝ていると、深夜30分おきの無言電話…。


640 :6/6:04/07/02 14:16 ID:QwES2H09
匿名で警察に投書しようか、とも考えていました。
しかし、飛び込みである店に顔を出した時のこと、マネージャーに名刺を渡すと、
奥からオーナーらしい凄みの効いた男性が出てきて、「あんた何をやったんだい?」と言います。
「え?何もしてませんよ?」
「そうか。勘違いだったかな」
そんな会話だけで終わったのですが、『哀』のドアにメモと名刺を残してきたことを思い出しました。
やはり、あの件なんだろうか…。
無言電話の件もあるし、ひょっとして自分はマークされてる!?これでもう心が折れました。

結局、匿名の投書さえもしないまま一月過ぎてしまいました。
あのaさんの訴えを黙殺してしまったのだろうか…。
わずか4ヶ月の勤務でしたが、他にも小さな「助けて」の声を黙殺してきた気がします。
今日は急病ということで欠勤です。このまま退職を考えています。


641 :633-640:04/07/02 14:19 ID:QwES2H09
この話は全てフィクションです。

次の記事:『握手』
前の記事:『よんどりっとわぁん』


copyright © 2024 怖い話まとめブログ all rights reserved.
/ プライバシーポリシー