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『不思議な風俗嬢』


死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?51

299 :すげ ◆MoMoPpKR5M:03/09/02 02:43
これは俺が20のときの話。

俺は当時風俗店で働いていた。
俺以外にも店長(29歳)、Yさん(30歳)、Kさん(36歳)の男性社員がいて、それなりに楽しく働いていた。
女の子とも仲良くて遊んだりしてたしね。

俺が働き始めて仕事にもなれて半年くらいたったころ、一人の女の子が面接にきたんだ。
その子はM衣という子で、顔も可愛くスタイルもそれなりによかった。
・・・そうだなぁ芸能人でいうと、モーニング娘のなっちをもっとかわいくした感じで、長い黒髪が特徴的な子でした。


300 :すげ ◆MoMoPpKR5M:03/09/02 02:44
経験はないとのことだったけど、店長もすぐに採用した。
経験があるよりも素人っぽい方が人気もあった時だったからね。

ただ、彼女にはちょっと不思議なところがあった。
それに最初に気づいたのはYさんだった。
気配を感じないと言うのだ。
彼女が近くを通っても、まったくなにも感じない。
しかも、なにかぞくっとする、背筋が凍るような感じがして不気味だった。
その話を飲みの時に店長にしたけれども、「気のせいだろ」くらいでとりあってもらえなかった。あたりまえの反応だが。


301 :すげ ◆MoMoPpKR5M:03/09/02 02:44
それ以来、俺とYさんは、なんとなくM衣が気になるようになった。
もちろん恋愛感情とかそういうものじゃなくて、不気味さを感じてたからだった。

そして、不思議なことは他にもあった。
うちの店では、女の子は自分の部屋に待機しているシステムで、
客がくるとそのまま部屋を使用するようになってたけども、彼女の部屋だけはまったく物音がしない。
一人でいるときならわかる。でも、客が入っていても物音がしないんです。
普通はお客が入ってれば、話し声や女の子の喘ぎ声が必ず聞こえてくるのに。

そして、客が帰った後に、使ったタオルとかは俺たちが回収するので外に出してもらうんだけど、
彼女だけは外に出さないんです。
もちろん、店が閉まれば部屋に入って掃除をするからわかるんだけども、
使用した形跡のあるタオルとかイソジンがまったくない。シャンプーや入浴剤もまったく減ってない。
朝に用意したままなのだ。
女の子が用意したものを使う場合もあるから、そうなのか?と思ったけども、彼女はそんなものは持ってきてなかった。


302 :すげ ◆MoMoPpKR5M:03/09/02 02:47
しかも客自身も、帰るときは普通、満足したりなにか表情にでるんだけども、
彼女についた客だけは、最初はかわいいから喜んで入るのだが、
でてくるときはなぜか目が魚が死んだような目をして、虚ろな表情をしている。生気が感じられないのだ。
しかも、リピーターがまったく存在しない。
彼女ほどのルックスとスタイルなら、リピーターがついて当然なはずなのに。
店長は「ふしぎだなぁ。下手なのか?」くらいの感想しかなったようだが、俺とYさんは絶対に普通じゃないと思ってた。

それだけじゃない。
彼女の部屋は、彼女が帰った後に掃除に入ると、
まったく用意したものを使用した形跡もないのに、髪の毛だけは異常に落ちてるんです。気持ち悪いくらいに。
ちょっと多いとかいうレベルじゃなくて、まるで髪の毛を切ったんじゃないかというくらい必ず排水溝に詰まっている。
さらに、部屋に入ると必ず腐臭がただよっているし、お風呂の側面に赤い手形のような染みが必ずついている。
彼女が使ったときだけ。

中で会話もせずになにをしてるんだ?と、俺とYさんはすごく気になったけども、
部屋に客がいるときは覗けないから、そのままになってた。


303 :すげ ◆MoMoPpKR5M:03/09/02 02:48
そして、俺が実家で不幸があり、帰省して3日ほど店を休んだときのことだった。
東京へ帰る前日の夜中の2時ごろ、Yさんから電話があった。
なぜだかよくわからないけども声が震えていた。
『はぁはぁはぁ・・・』
イタ電か?と思ってきろうとすると、
『Sくん(俺)・・・俺だ。やっぱりM衣は普通じゃなかった。絶対にかかわっちゃダメだ』
「どうしたんですか?なにかあったんですか?」
『俺は霊とかそういうものは信じてないけど、M衣は・・・きっと生きてる人間じゃない』
「え?」
『俺・・・やばいかもしれない。どうしたらいいんだ』
Yさんは本気でおびえていたようだった。
詳しい話を聞こうとすると、最初はかかわらない方がいいと言ってくれてたYさんだったが、
俺のしつこさに負けたようで、ぽつりぽつりと話してくれた。
どうやらYさんは、M衣のことを少し調べたようだった。


306 :すげ ◆MoMoPpKR5M:03/09/02 02:50
店が終わった後に彼女の履歴書を見て、住所などを調べていってみたらしい。
すると、そこはマンションの一室だったが・・・誰も住んでいなかった。
しかもそこの住人は、つい数ヶ月前に手首を切って自殺したらしく、それ以来空室になってるとのこと。
Yさんが隣の人に彼女の写真(履歴書のコピー)を見せて、「この人が自殺したんですか?」と聞くと、
「そうですよ。可愛い子だったんですけどねぇ」と答えたそうだ。
この時にYさんは、本能的になにかやばいと感じたそうだ。
しかし次の日、ついに誘惑に負けて、彼女の部屋を覗いたそうなんです。
『俺・・・みちゃったんだ・・・みちゃったんだよ。正直言って後悔してる』
「なっ・・・何を・・・見たんですか?」
俺はなにか得体のしれない恐怖に駆られて、声が震えていました。
『いいか。絶対にかか・・』
ざざっ・・ぐじゃぐじゃ・・・
そこまでYさんが言ったときに電波が乱れて、不快な音がしたかと思ったら、電話は切れました。


308 :すげ ◆MoMoPpKR5M:03/09/02 02:53
ここまで聞いただけで俺は恐怖感を感じていたけども、まだ正直信じきれていない部分があった。
確かにM衣の周囲には不気味なことが多いけども、霊の存在を否定していた俺には理解できなかったからだった。
それに、いくら気になったからとはいえ、履歴書を見て家に行くだなんて、と思った部分もあったし。
でも、そう思ってられるのもこの時だけでした。

東京へ戻った初日、Yさんは何事もなかったように働いていた。
あれほどおびえていたのに・・・
俺は仕事が終わった後にYさんに話し掛けると、「聞くな・・・頼むから聞かないでくれ」と一言。
そして彼はその次の日。
「地獄谷で待ってる人がいる」と、謎の言葉を残して消えました。

Yさんが消息不明になってから約一ヵ月後。
彼はM衣の履歴書に書かれた場所から、遺体で発見されました。
近所の住人の異臭がするとの通報で警察がかけつけたところ、Yさんが死んでいたそうです。
最初は変死体ということで解剖もされたそうですが、結局死因は自殺。
死因自体は窒息死で、珍しいものではないそうですが、大量の髪の毛が気道と食道に詰まっていたそうです。
そのときに俺は気づきました。Yさんがいなくなってすぐに、M衣が髪型がショートになっていたことに。
まさか・・・俺は恐怖でいっぱいになった。初めてでした。全身が震えるような恐怖なんて。
あの子はいったい・・・

それから二日後、今度は店長がいなくなりました。
「地獄谷で待ってる人がいる」と同じ言葉を残して。
後で女の子から聞いたけども、店長はM衣に迫っていたそうです。

そして店長がいなくなってから一週間くらいで、M衣も店を辞めました。


309 :すげ ◆MoMoPpKR5M:03/09/02 02:56
一体M衣は霊だったのか?それとも違ったのか?
今となってはわかりません。
ただ後で知ったことは、俺が働く2年前くらいに、M衣と同姓同名の子があの店で自殺していたこと。
M衣が使っていた部屋で。
それを改装したのが今の部屋とのことでした。
実際にあの子が霊かどうかはわからなかったけど、初めて経験した恐怖だったし、
もう数年たったから、打ち明けてもいいだろうと思って書きました。


310 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/02 02:59
大体、自殺した女と同姓同名の奴を採用するって時点でおかしい


313 :すげ ◆MoMoPpKR5M :03/09/02 03:03
>>310
2年前はオーナーは同じだったけど違う店だったんです^^;
店長が同じだったら採用しなかったかもしれませんが。
辞めた子を再度採用したり珍しくないです。

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