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『霊に好かれやすい体質』


ほんのりと怖い話スレ その66

442 :名無しさん@そうだ選挙に行こう :2010/07/11(日) 14:35:15 ID:LZlkkIbV0
俺の友人、仮にYとするが、Yは霊感のある人から見ると、霊に好かれやすい体質なんだそうだ。
そのYが4月頃、友人たちと夜メシを食いに行った。
よくあるセルフうどんを食って、いつものように近道をして帰ろうとしたんだ。
その近道というのが、そのうどん屋の後ろにある路地裏みたいなところで、
色んなゴミ、粗大ゴミやら生ゴミやらが散乱してるんだな。
そこは昼間とおっても、何ら変わりのないただの道のように感じるんだけど、
夜は少し薄気味悪いような印象を受ける、正直あんまり近づきたくない道なんだ。
でもYの家に帰ろうとすると、その道を使うのが一番速いから、よくそこを利用していたらしい。
そのときは友人も一緒だったし、特に恐怖心もなかったそうだ。

「あそこの店、意外とうまかったなー」みたいな話をしながら、その道を歩いていたY達は、
ふと横にあった粗大ゴミのソファーを、友人の一人…仮にAとしよう、そのAが蹴り始めた。
夜のテンションで意味はないんだが、そのソファー3人でを蹴ったんだ。
それに続いてもう一人の友人、こっちはBとしよう、そいつも蹴り始めた。
Yのほうは、「他2人が蹴り始めたので一緒になって蹴った」と言っていた。
すぐに興味を失って、蹴るのをやめたそうだが。

その後、他2人もすぐに蹴るのに飽きて、帰り道を歩いていた。
すると、そこにYの母から電話がかかってきた。
『早く帰ってきなさい』みたいな内容の電話で、すぐに切ったYは、また歩く足を速めた。
すると左から突然、「誰から?」と声が聞こえた。
Yは友人だと思い、「親から。早く帰ってこいってさw」と返した。
しかし、ふと気づいたんだ。
Yは友人2人と帰っていたが、その友人2人は右隣にいるんだ。


443 :名無しさん@そうだ選挙に行こう :2010/07/11(日) 14:36:42 ID:LZlkkIbV0
左から声が聞こえるはずがないんだな。
すぐにおかしいと気づいたYは、友人Bに話題をふった。
「なあ、こういうとこって、結構出そうだよな?意外と近くにいたりしてなw」
実はこのBは霊感が強く、Yの体質についても知っていた。というか、好かれやすい体質だと指摘した本人だった。
Bはすぐに、「いねえよ。気にすんなよw」と軽い調子で返してきた。
Yはそれで安心して、気のせいだったんだと思うことにしたんだそうだ。

だけど、その路地をぬけた手前くらいの所で、Yは喉が渇いたからとジュースを買いにいこうとした時、
突然Bが耳打ちしてきた。
「お前、今憑かれてる。ああいう場面で聞くな。語りかけても反応しちゃ駄目だぞ。そいつの存在が強くなるからな」
その一言でYの体が凍りついた。本人曰く、泣きそうだったそうだ。
Yはとにかく焦って、早足で自販機まで行った。
ジュースを買って、出てきた缶を取ろうとした時、
「何選んだの?」
屈んだまさにその瞬間だったそうだ。
Yは内心震えながらも、Bの言ったとおり反応せず無視した。
ジュースを取って、何事もなかったように後ろを振り向いたが、やっぱり誰もいなかったそうだ。
すぐにBにこの事を小声で話すと、
「お前、親に来てもらえ。連絡はメールでしろよ。声を聞かれたら乗り込んでくるかもしれん」
YはすぐにBの言うとおり親に連絡した。
…頼むからすぐにきてお願い、という内容に、親もどうしたんだとすぐに来てくれたそうだ。


444 :名無しさん@そうだ選挙に行こう :2010/07/11(日) 14:37:39 ID:LZlkkIbV0
Yは親の車にサッと乗って、B達は「じゃあな」と一言言い、こっちを見ていた。
すぐにドアを閉めて、一息ついた。ようやく安心できると、心のそこから親に感謝した。
その時、Bからメールから届いた。
『ヤバイ、車に一緒に乗り込んじまった。お前今夜気をつけろ。
 窓とか鏡を見るなよ。窓もカーテンも閉めて、すぐに寝ろよ。
 できるだけ誰かに一緒にいてもらったほうがいいけど、それが駄目なら電気つけとけ』
この時のYは、もう本気で泣きそうだった。
あとで親に聞いたら、「泣きそうで、事情を聞くのは良くないと思った」と言われたそうだ。
車の中は嫌にひんやりとして、あんまりいい雰囲気じゃないことがYにもわかった。
俯きながら、早く家についてくれ!と心の底から祈っていた。

やがて家につき、車のドアを開けようとした時、車の窓に一瞬だが女の顔を見た気がした。
もう心臓はドキドキしっぱなしで、冷静を装いつつも早足をとめることはできなかった。

それからは自分の部屋にいって、風呂にはいって、すぐに寝たそうだ。別に何事もなかったそうだ。
Yは始終びびっていたようだが、翌日学校に登校したときには、もう消えたんだと安心していたそうだ。

教室で「昨日はすまんかったな」とBに言うと、
「何もなかったか?…まあまだ憑いてるんだがな」
Yは「え!?」とまたびびりだしたが、
「ごめん嘘嘘w流石にもういないよw」と言うBに、昨日何故憑かれたのかと聞いた。


445 :名無しさん@そうだ選挙に行こう :2010/07/11(日) 14:41:41 ID:LZlkkIbV0
「多分だけど、昨日帰り道にソファーあったろ?あれを蹴ったときに、ついたんじゃないかと思うんだ。
 俺は最初Aが蹴るまで、ソファーがあったことなんて気づかなかったんだ。
 最初に憑かれてたのは、多分Aだったんだろうな。
 でも、最後にお前が蹴っただろ?お前の体質に惹かれたんじゃないかなあ」
なるほど…確かにAが蹴り始めるまで、ソファの存在なんて気づかなかった、と納得したらしい。
では、何故取れたのか?と聞くと、
「うーん…お前が家にいる間の時間で、気に食わないことでもあったんじゃないか?
 お前なんかやらなかったか?」
その一言で、思い当たることが一つあったそうだ。
そういや…一発抜いたなあ…
霊というのは不浄なもの…まあそういう行為を嫌う傾向がある、というのを聞いたことがある。
Bも「恐らくそれだろうなwしっかし、オナニーで祓うとかw聞いたことねえよwww」と笑っていた。
Yは笑い事じゃなかったらしいが。

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