「『神降ろし』1/2」の続き
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?218
868 :本当にあった怖い名無し:2009/07/27(月) 01:15:51 ID:NTfTxL700
その話を聞いて、今も視えるか聞いてみたら、
C「ほら、あの並木のあたり見てみ?」
と言ってCさんは、向こうに見える並木道を指差した。
俺「講義や試験を終えた学生が、ぞろぞろ帰ってるのが見えるだけですが・・・」
C「じゃ、メガネ外してもう一回。歩いてる人の足元あたりに注目!」
俺「!!!!」
周りの風景や人はぼやけて見えるのに、辛うじて人の形に見える、漆黒のタールのようなものの上半身が、
這うような姿勢のまま静止しているのが、はっきり視える。
C「見えた?クロウリングケイオス(crawling chaosかな?)って感じだよねw」
俺「Cさん。実家の神社で巫女さんとかもされてましたよね?お払いとか出来ないんですか?」
C「無理無理w自分に変なのがまとわり憑かないようにすることで精一杯。
実家継ぎ損なってなけりゃ出来たかもだけどw」
C「それにしても何したの?普通に心霊スポットとか行ったぐらいじゃ、あんなの拾ってこないよ普通www」
俺「マジ笑い事じゃないですよ。神社で肝試ししただけですよ。俺ら」
C「うーん」
何か含みのある様子で軽く唸ると、急にCさんが俺の手を引いて腕を絡めて、
C「ま、こんなトコで立ち話もなんだし、ちょっと飲み屋にでも行こうか?奢ったげるからさ」
このCさん。あんまり女性っぽく無いサバサバした性格だけど、
見た目は無造作に後ろで束ねた長い黒髪で、和装が似合いそうな美人さん。
なので、こんな話をしてる時なのに、ドキドキしてたのは内緒だ。
C「私とくっついてたらとりあえずは大丈夫。あと、君は結構運がいいね。
弟(長男の方)が実家の用事ついでに、私のトコに寄る予定あるんだ。
後2時間くらいで着くはずだから、安心して良いよ」
そう言いながら、グイグイ俺を引っ張っていく。
結局、2人で個室のある飲み屋に入り、先ほどの話の続きをすることに。
869 :本当にあった怖い名無し:2009/07/27(月) 01:17:45 ID:NTfTxL700
飲み屋に腰を落ち着けて、事の経緯を説明し、いろいろ聞いた話をまとめると以下。
(聞いた時にわからなかった言葉とかは、後でググッて補足しています)
・Cさんではお払いが出来ないことについて。
普通、神職自体には、霊とかその他諸々を払う力は無い。祀ってる神様の力を借りないことには払えない。
そもそも神職は巫覡に端を発しているので、霊を成仏させたりする坊主とは違う。
神様の力を借りるには、相応の舞台装置が必要。
つまり、神社の外では、依り代とかがなければ大したことは出来ない。
・神社の境内は神域のはず。なんであんなのがいるのか?
坊主の作る結界とは違い、神社は神を降ろすための舞台装置(神を降ろし易くすための場)にすぎない。
神域とは、舞台装置である神社に神が降りることによって、始めて力を発揮する。
神職や管理者がいたり、キチンと定期的に祀られてる神社は、
神域として正しく機能しているため、おかしなものは寄り付かない。
逆にそうでない神社は、何か寄せるための舞台装置だけがある状態。
色々とおかしなものが集まってくるので危険。
ここまで話を聞いて、疑問に思った事を聞いてみた。
俺「なんでEさん(長男)が来たら安心なんです?さっきの話だと、神職自体に払う力はないんでしょ?
ましてやEさんて、今まだ在学中で、正式な神職になって無いでしょ。
それとも、Cさんと二人で力をあわせれば何とかなるって、そういう話ですか?」
C「違う違う。確かに神職自体に払う力はないってのは、Eに関しても当てはまるんだけどね。
ただ、あの子は色々と特別な訳。うちの神様に守られてるんだよね。
具体的な効果範囲はわからないけど、
少なくともEの視認できる範囲内には、幽霊とかその他もろもろの、危害を加えるものは近寄れない」
俺「それを聞いて気付いたんですけど、
もしかして、地元の心霊スポットとかで肝試しした時に、何もおこらなかったのって・・・」
C「そう、いつもEいたでしょww」
俺「でも、なんでEさんだけそんな特別扱いなんです?そもそも、神様が1人だけを守ったりとかあるんです?
神社って全国各地にあって、しかも有名な神様だと分霊でしたっけ?
とかされて、同じ神様を祀ってる神社がいっぱいあるのに」
C「んー。ちょっと長くなるけど良い?」
871 :本当にあった怖い名無し:2009/07/27(月) 01:20:06 ID:NTfTxL700
Cさんより聞いた話。(特定されない程度にぼかして記載している箇所があります)
・彼女の実家の神社(A神社とする)は、全国に同じ名前の神社がある。つまり、総本社の分社。
・ただ、彼女の一族は、元々は別の神社(B神社とする)を管理してきた一族。
・B神社は今もあるが、現在その直接的な管理は、B神社がある地域の町内会がおこなっており、
彼女の実家は、それをサポートする立場。
・B神社は決して大きくは無いが、
延喜式神名帳にも記載されていた、それなりに歴史のある式内社。(少なくとも千年以上)
・B神社は、全国的に見ても少し特殊な神社。(主祭神と建築様式の2点において)
・ある神様を祀っているが、その神様を主祭神としている神社は、全国でB神社のみ。
・B神社は、平安時代以降のある時代に、戦乱だか災害だかで一度消失し、近年に再建された歴史を持つ。
・その空白期間、彼女の一族がどうしていたかというと、
当代の神職を依巫として祀ってる神様を降ろして、代々引き継いできた。
(満10歳になった時に、次代の神職を確定させるために、神降ろしの儀式があり、
その後は、当代と次代の間で取り決めたタイミングで、もう一度神降ろしをして、世代交代を行う。
世代交代の時期が決まってないのは、
儀式的なしきたりよりも、確実に引き継ぐことを重視したためだと思うとの事)
・一方、彼女の一族がそうまでしてその神様への信仰を守ったのは、
B神社のある地域一帯に、物凄く強力な力を持った何かがいて、
(人間とって都合の悪い神様レベルのものなのかもとはCさんの推測)
それを封じる役割を、その神様が担っていたからとのこと。
・神社が再建されたのは、表向きには神仏分離令が出た後に、その地域にも由緒正しい神社があったことがわかり、
これはぜひ再建するべきとの機運があったため、とのことだが、
その地域の鎮守として、B神社がなかった空白期間が長かったため、
定期的に彼女の一族が封じるための儀式を行ってきたけれども、それでは抑えきれず、
封じてた何かの悪影響が出るようになっていたから、とのこと。
・それをあらわす証拠が、再建された時の建築様式に現れており、
いくら由緒正しいとは言え、田舎の小さな一神社にはありえない特徴があり、
その再建した時代に、その神社が重要視されていたことがわかる。
872 :本当にあった怖い名無し:2009/07/27(月) 01:22:50 ID:NTfTxL700
・再建後は、B神社は鎮守としてきちんと祀られ、(収穫祭ではあるが秋祭りもある)
定期的にその神社で儀式を行っているため、その何かは封じられていると事。
以上のような経緯で、Eさんは神様の一部を常時降ろしているような状態で、強力に守護されている。
そのためEさんの周りは、Eさん自身の体を舞台装置(依巫)とした、
一種の神域のようなものになっているとのこと。
よってEさんにとっては、俺に憑いている程度のものを払うのは大したことでは無い、という訳だそう。
場合によっては、Eさんがこの飲み屋に着いただけで、憑いていたものは消滅してるかも、とCさんは笑っていた。
それを実感するエピソードとしては、Cさんが小学生の頃、
弟が神降ろしの儀式を行った(弟が次代に確定した)翌日から、
今まで通っていた小学校で視えていたいろんなものが、それ以降、全く見えなくなった事を挙げていた。
Cさんが中学生になった後、一年後に弟が中学校に通いだした時にも、同じことが起こり確信したという。
そんな話をしているうちに、Eさんが飲み屋にやってきた。
Cさんから話を聞いた後だったが、1年ぶりにあったEさんは、俺には普通の今時のイケメン兄ちゃんに見えた。
E「久しぶり。姉さんから電話で聞いたけど、なるほど、ちょっと『障られて』るね」
そう言うとEさんは、俺の頭を軽くポンっと叩いて、
E「よし。これで大丈夫」
俺「へ!?もう終わりですか?もっとこう、祝詞的なものとかは必要ないんですか?」
(寺生まれのTさんの『ハァー!!』みたいな、気合的なものとかもなかった。
本当に軽くポンと頭を触られただけ・・・)
E「ないないwこれでOKだから」
C「うん。頭から伸びてた紐みたいなのがもう視えないから、大丈夫」
物凄く拍子抜けしたが、その後3人で飲んでにうちに帰って寝たが、例の夢はもう見なかった。
(翌日、入院しているAとBについても、Eさんに払ってもらった)
AとBが怪我したものの、最終的にみんな無事だったのでよかった。
得られた教訓としては、無人の神社には近づくなって事。
882 :本当にあった怖い名無し:2009/07/27(月) 01:52:16 ID:71eLowV/O
で、水溜まりから出て来たヘドロ人間は、一体何だったんだ?動物の霊とかか?
922 :本当にあった怖い名無し:2009/07/27(月) 21:32:47 ID:fpZ0PVM50
>>871
> その神様を主祭神としている神社は、全国でB神社のみ。
一体、何を封じているんだろう・・・
B神社だけってことは、あまり耳にしない神様なのかな。
みえる人がEさんを見たら、どんな神々しいものがみえるんだろ。
959 :861:2009/07/28(火) 02:51:28 ID:f23JCiry0
超亀レスですみませんが、質問へのレスを。
>>882
Eさんにも聞いてみたんですが、人間霊や動物霊レベルのものではないのは確からしいのですが、
人に対する影響力がそれなりに強いものである、ということ以外はよくわからないとのこと。
(Eさんのお父さんが視ていたら何かわかったかも、とのこと)
>>922
日本書紀にもその名が記されている神様ですが、一般的に知名度のない神様であるのは確かです。
なお、全く祀られている神社が無いわけではなく、あくまで主祭神としている神社が無いだけで、
摂社や末社として祀られていることはあります。
自分は全く視えないのでわからないのですが、Eさん曰く、
「神職見習いがこういう言い方をするのもアレだけど、Angel's Ladderっていうんだっけ?
雲間から一条の光が常に降り注いでいるみたいに視えるらしい。
人によって見え方が違うのかもしれないけどね」
ちなみに、お祖母さんとお母さんを除くCさん一家(一族の直系)の人達は、全員視える性質らしいんですが、
お互いのことは何も視えないらしいです。
視えない理由についてCさんは、
「当代(父)と次代(Eさん)みたいに、自分の周囲を神域化するほど強力じゃないけど、
一族の直系は、多少なりとも神様の守護を受けてるから、
お互いに視えたとしら、眩しくて仕方がないからじゃないの?」
と、朗らかに笑ってました。
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